砂時計 あなたは何を 考えて サラサラサラと 落ち続けるの
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何様と 言われ尖って 俺様と 言ってた俺も 今はおじ様
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お別れの 最後のキスが こんなにも 優しいなんて 皮肉なものね
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人生は 人それぞれに 違うもの 歩く歩幅も 歩く速度も
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毎日をごまかしながらただ生きてただ朽ちてゆく鞄の中身
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偶然に君と私の手が触れてただそれだけで幸せになる
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この上なく貧しき血潮と生くるゆゑめぐれよめぐれ赤と流るる
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寒き夜は星のひとつを抱きつつ胎児となりて眠りへ落つる
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雨の音に濡れてゐる藍いろの闇ここより白き朝へつなげむ
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バカっぽい歌を詠みたいバカだから バカをきわめて飛んでいきたい
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十余年 道は違えど君がいた 「さよなら またね」ブレーキひとつ
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繊細さカケラも持たぬぼくたちはストロングゼロ飲んでおやすみ
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病院の 待ち合い椅子で 長すぎる 待ちの時間を 睡魔と過ごす
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保健室 用もないのに 入り浸る 好きと言えない 白衣の人に
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モヤモヤを絶対お家に持ち込まず全て吐き出し帰れる職場へ
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ストローで ぶくぶくぶくと 泡たてて 嘘を濁らせ 流しきる彼
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蛇口から ポタポタ落ちる 水玉は 夢の半ばで 排水口へ
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出張を 見送る妻は 嬉しそう 手の振り方が 大きく見える
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あこがれの 彼をやぶった 100メートル 表彰台の  このさびしさは何故
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おにぎりも食べた気がしない秋半ば冬に備えて肥えるの尻
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手鏡にうつれる昏き霜月に老猫のこゑ弱く響ける
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隠謀も不条理もすべて悪夢たれ鏡のなかの向かふ側にて
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大洋のような心で受けとめるつもりなどない ただあるがまま
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パクツイはかなしからずやリプ欄の罵詈雑言にも染まずただよふ
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皮肉屋の掃除夫ひとり清水の奈落の底でシミを数える
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純白のセーターすごく似合うのは心の色と真逆だからか
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生と死も好きも嫌いも運次第花びらかぞえ占うかぎり
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ここだけの秘密すこんと消えて行く秋の限定チョコ舌の上
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「ぴーんぽやーん」サイケデリック・インターホン なんてこたない 電池切れです
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まだいたい 夏の名残を あやすよう 優しくつつむ 秋の長雨
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