安らぎの神経前に深呼吸痛みを逃がす準備はいいか
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電車図鑑片っ端から覚えてく息子の勢い我追いつけず
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いちばん良いものを天国いちばん悪いものを地獄と生きてる人が
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校庭の角に椿が咲き誇りただひっそりと児童見守る
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青空に白く浮かんだ半月を撃ち落としたい仕事始めに
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水鳥が 朝の川面に 泳ぎおり 凍てつく水に 戦い挑む
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君が打つ「ごめんなさい」のプログラム 僕の頭は真っ青だ!
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真珠貝 信じる者にパールあり信じぬ者は核を持たずに
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おかあちゃん ぽんぽん あたためてあげる ねこのやさしい おもいやりかな
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心にも麻酔があったらいいのにね 人型の檻は窮屈だよね
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初めての恋と覚えし君のこと いつか消えてしまうのだろうか
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「無事です!」とふ我がの夫のふるへ声に受話器を扼し幾度もお辞儀す
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父として何もなし得ぬ爺医なり 娘の快癒をただ祈るのみ
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モニターの電子短冊アイコンを「e川柳」と「e短歌」にせり
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大晦日につくりし電子短冊へ書き初めせむとキーを打ちたり
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堪えれば 石の上にも 三年と 信じてみるか 残り一年
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月着陸はやらせだったという映画 一緒に見たね十一の冬
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この仕事 やってられるか 思うとき 他の仕事も さらに厳しく
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学校で 揉まれ揉まれて ジャングルを リングに変えて 鍛える思惑
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年またぎ寒空のなか過ごしたる まだ芽もいでぬ十七の夜
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弁当を 食べるときだけ マスク取る 見られることも 苦しみの内
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TAB譜なく五線譜睨み運指読む もどかしき日々遠回りして
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スマホなくガラケーもなくひたすらに 一期一会の重きひととき
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雲間から落ちたる雪に罪はなし 向き合う人の覚悟にぞ寄る
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先輩は遠き道ゆき年賀状ぼくの世界の中心はここ
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落ち込んでゐても平らぐドブ色の朝ラーメンに半ライスつけ
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投函のあとのまつりの息白くこはしたくなる郵便ポスト
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一文字の怖さをおもふ礼状の誤字指摘され電話をかける
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パソコンを 二台並べて 何をする 異常を来す 老いぼれ爺
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「ほら来たよ」 赤い頬して君がいう 学校祭の秋の日のこと
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