吾子があく青のカーテンの隙間よりあけぼのの光踊り出でたり
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織りなした 白き衣の 故郷ふるさとは 木々の淡いに 生まれし真綿
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隙間なく 絡めた指の 辿る先 無いと知るから 強さだけ増す
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予想外の雨に降られし情緒ありゲリラ豪雨など不風流なり
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姉さんに 褒められスルーす 弟は 同じコーデで また出掛け
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うっとりと あまき緑茶に 酔いしれて その名は薫 奇しくも「薫」
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終わりなき猛暑日 冷房効くオフィス 同僚と食む アイスクリーム
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萩の露荻の上風うはかぜ虫の声もののあはれは秋ぞまされる
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ソラニンの発せられない「と」のような事がこの世にあるとするなら
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そうなのよ 今日はお腹が痛いのよ 言いたいことが詰まり過ぎてて
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キミが言う「ファミリーデー」に皆微笑むが私はそこに入れない/葉月下旬
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夕暮れにフェンスの影を踏みながら格子模様のきみが振り向く
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あと5日 宿題なんてもう無いのに なぜか心が少しざわつく
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新しい家族のカタチ始まりぬ 午前五時前 母の転倒
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ふくらむという語さえ味方にしてしまい そうな窓向こうに思春期ゆく
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やられても 失敗してもへこたれぬ ばいきんマンのように生きたい
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白檀と安息香が好きかなあ 意外と楽しき 源氏香の世界
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少しの間仏さんにまず初だから供えたあとで冷やす梨かな/特売①248円
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ゴミ出しでトボトボ日陰歩く朝 わずかな歩数を稼ぐ週2で
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揺れさやぐ 垣根の風に 朝顔の 夏空うつす 青のひとひら
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夏休み家族と向かう墓参り 焼ける石見てビビンバ思う
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ぬばたまの夢を思ひし袖露の 暁ばかり憂きものはなし
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寝そこなひ不調なりたる暁の ラーメンばかり好きものはなし
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ブレーキとアクセル間違える前に、まず疑おう己の能力
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京の街響くさみだれシャッター音あなたの風景わたしの生活
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ぬばたまの夢にあはむと袖露の 暁ばかり憂きものはなし
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バリキャリのばあちゃんが煮るかぼちゃには柔らかさなんて微塵もない
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扉の前 ゴミ出し忘れ 定期忘れ ハンカチ忘れて 三往復
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いざ行かむ 宇治の源氏の世界へと ただひたすらに我を呼ぶなり
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秋虫の声が勝ってる次は鳥蝉は遠くでかすかに騒ぎ
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