面接より緊張してる 初めての美容室へと向かうあなたは
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今度こそ負けるもんかと踏みしめる 膝がわらった 僕もわらった
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誰しもが抱えるそれを君も抱き歩く背中が今日も眩しい
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四冊目の電子歌集を編まむとし手順忘れてモニターを睨む
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つい買ってあまりの長さ困惑しいつ終わるやら電子書籍の小説小説/合冊とか
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雨上がり分厚い雲の隙間から光が差した 光が差した
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鰯雲 キアゲハ庭のパセリで子育て どの棟もみなご入居済です
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サイゼリヤ 老いて財布にありがたし ペペロンチーノに咽せつつもなお
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秋旅は 食べもの景色 温泉と 限りなくただ シンプルに行く
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揺らぐ時期髪も視力も肌もみな初老へ向けて乗り越える時期
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赤箱の牛乳石鹸良いそうで買い物ついでにじゃあ買ってみる
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緩慢な坂道途中立ち止まり不思議の絶えた生に疲弊す
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花や木の夏が萎びて枯れてゆく美を秋と呼びますこの惑星では
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「楽しかった。また今度会おうありがとう」芸術的に傘が消えてる
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トゥータイム西新宿で生まれた あなたは僕とダーツをしない
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ルリシジミ螺鈿を纏って舞う者はお前の他には海にもいない
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情報は得られるけれどスマホでは野菜もゴミも包めやしない
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帰りつき ねこたちねてた それならと 布団が干せた(2回目) それで満足
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秋晴れの朝 カーテンの裏側で 愛猫は バードウォッチング
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濡れそぼる交通安全の旗と信号無視の寂しい光
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知らぬ街靴底響く暮れの果て放浪の背に月が寄り添う
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おかしな世日本は一度洗濯をアタックで洗えば綺麗になるぜよ
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ガチ勢とバレたらハズいヒトカラは仕事帰りにふらりのテイで
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この頃は女性が剛しこの国で 男性たち蝸牛角上の争い
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日本初女性総裁誕生も 男の嫉妬渦巻く永田町
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秋の日の 30度越え クーラーの 出番が続く 想像を超え
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秋風に ネガティブ言葉のきみのいて 聞き流しつつ我は頬笑む
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寝込んでもお勝手いてもラジオから外の世間と繋がっており
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変わりしは 君の想いか こころ  今はただ わかれてぞ
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走らせる 筆と不一致 わが心 書きたいことも かけないままに 
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