あぁ神様 どうか願いが叶うなら 来世はあの人の隣で笑っていたい
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顔を見て 火照ってにやけてしまう その度に不思議な顔してるあなた
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ストレスとか全然ないって言いながら落ちる毛髪、さよならタンパク
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吐け鬱屈!大学二年の夏季休暇 ストーリーズは二分間憎悪
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身の丈のそれより下の生活で 焦らず呑まれず流されず
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「俺よりもいい男なんて居ねえから」それを聞いたのあなたで4人目
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親からの愛をもらって恋をして 愛になって子に愛渡す
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灼熱のコンクリートで目玉焼き 作れそうだな八月の午後
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紫と緑で描ける朝顔の葉先に滲むレモンイエロー
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暗海に 響く漁船のエンジンを 遠巻きに送る 緩やかな風
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なんで俺?嫌々家業を継いだけど歌とか苦手 黄泉でいいじゃん【中編・主人公】
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人の世の恋愛成就を許すまじ!我の想いに振り向きもせず!【前編・怨霊】
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食べ物は買ったら必ず食べるのにどうして本は手をつけぬまま
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キーボード叩き短歌を詠む傍で 我が宝物 寝息を立てる
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コンビニで冷凍ぶどうを買ってきてうだる頭を急速冷却
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怨霊が歌に意を得て成仏す 架空のアニメ『黄泉よみに幸あれ』【前々編】
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目の色も爪の形も歯並びも光のあなから取り戻せない
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新聞の二ページ占める広告のおせち一瞥 今日も猛暑日
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今日ダメで 多分明日も無理だから 仕方ないけど 一日生きる
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ドツダツと腕に伝わる振動音これだ音符が跳ねる世界だ!
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神様は今日も完璧を見たくない 僕から一つ記憶を抜いた
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どうしても 母にやさしく出来なくて 電話のあとは 悔やんでばかりだ
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惚れこまぬよう 少しだけ離れてみるも 夢に出てきて 万事休すか
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あっ。ここで、いちど離れるものがたり 出入口ではアザラシが待つ
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きみの腕縁取る産毛がきらめいてうだる血潮を夏にとどめる
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神様の気まぐれさって猫は言う僕は架空のきょうだいを描く
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あきらめて忘れかけてた秋のこと 豈はからんやさんま豊漁
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ここにきて和梨の魅力に気づいたよ 老いもなかなかいいものですね
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まぼろしのような雨だね ワンピースの花にお水を飲ませてあげる
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人間も昔は魚 波の音 きいて呼吸を 思い出す夜
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