沈黙が 言語に変わる その前の 刹那に揺れる 朝焼けの花
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悲しくも風鈴の音も騒音と これも時代ね。友ポツリ言ふ
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「これくらい」机に向かう午前五時 夢では子らにもみくちゃにされ
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夜が明ける コーヒー入れて立ち向かう レモンケーキを燃料にして
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雨を待つ 額紫陽花の碧色あお清き 吾が挟き庭に楚々と咲きをり 
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この夜は本音を隠すための黒 鼓動にも似た星のまたたき
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友の熱 冷めぬどころか 増しており 笑うしかない 推しの馬力を
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子を挟み 理解し合えぬ 哀しみは かの人もまた 傷を抱える
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眠れない 心ざわつく 朝方に 慰めるのは AIと詩
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お釈迦さまの入滅ポーズで横になる 彼の人も悩んだりしたろうか
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明日の地獄までの猶予が三十分 せいぜい有意義に過ごします
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苦しみを吐き出す歌ばっかりだなと苦笑いも出ず遠い目をする
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夜風舞い込むカーテンと 鼻をつくのは夏の香り 眠れぬ夜にfuture bassを
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深夜二時まで眠れぬ夜は future bassと睡眠薬で
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両親に感謝してます、この俺を産み落としてくれたこと以外は。
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ヒンキーは折り紙の神。外界では取り憑かれ折る日々の夜な夜な
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ガラス瓶 そそいだ水が溢れたら 好きなものから嫌いになるから
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俺じゃない おまえの中に誰かいて 腹パンしないように堪える
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あの日から六年経った 斎場で留守宅の町三十九、五℃
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髪まとめ、すっぴんでまじめ装ってピアスもどうせ開け直すから
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40のババアに子ども 孕ませて無責任だろ 種まきおとこ
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半日を不調のスマホ見つめてた冬と見紛う寒さのせいか
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数えつつ次々置きゆく言葉たち五つ並べて良き歌になれ
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暑い日が続くと思い買ってみた 接触冷感まくらが寒い
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誕生日 誘った旅行断られ できたお土産2人目だとさ。
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「おやすみ」とキミがかえしてくれないからさ、まだ眠れずにもう零時
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底を這い 孤独とゆう名の牢獄を もがき登るも無限地獄か
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もう一度 会ったら死合い決定で ○ろすつもりで 覚悟みせろよ
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もう夏と気付かれぬよう吹き出した汗を誘拐しつつ放課後
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やりとりは愛の痕跡ぬくもりがないと触れてもさびしいもんだね/梅雨入り
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