さよなら、と投げ捨てられたネックレスを集めるニホンツキノワグマ
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愛犬の 老いて変わりし 様なれど 胸底に湧く その愛しさよ
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なぜだろう『ねこふんじゃった』それだけは 誰でも弾ける かんたんな曲
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スランプか 歌が浮かばぬ 日々続き 歌にできない 思いもあれど
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冬季うつ明けてハッピーるんるんるん♪ …まさか躁とは思はざりけり
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リコーダー吹きながら歩く帰り道練習中のうぐひすが鳴く
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読み聞かせ「まんじゅうこわい」を朗読し大いにウケり落語すばらし
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けさはねえ おひるがはやめに ほちかった ねこたちふたりで おかあちゃんおこす起こす
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ざっし雑誌」さん おおきいわごむを びよんびよん チビ猫 つきイチ たのしい・おあそび
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大寒波のあいだにパンケーキ焼きたくて 目がしんどくて焼けなかったよ
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見えぬ息 動かず寝入る 老犬の 腹の動きを 幾度も見つめ
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マズローの四段階目の欲求を知ってか知らずか好々爺なるひと
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丸くなり風を受けつつ眠る猫でたくなるよな背中をむけて
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一面の ぼたん雪の空 その果てに あけ淡々あわあわと 夕陽映りて
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感謝もせず管繋がれ怒鳴る父 毛糸の靴下頼まれもせず届ける母
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風はなく鏡のような凪の海 何も起きるな何も起きるな
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人は皆散るものだとは知り乍ら 麗しくあれ葉桜のごと
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SMAPの曲と重なる 我が短歌うたも「世界に一首だけの短歌」と/世界に一つだけの花
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稲毛浜 光り輝く白波と青を切り裂くウィンドサーフィン
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ほかほかと湯気立つおにぎり母の味 なつかしいなあまた食べたいなぁ
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星落ちる絵本のような霜の咲くフロントガラス 朝の夜話
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交差点 歩行者信号あけを待つ気怠い憩い 夜のつなぎ手
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バス待ちの黒を基調にさまざまに佇む姿は雑誌の見開き
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通過します 憂鬱乗せる箱なのに朝日の影絵ただ美しい
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君の住む 区でも同じ日が昇る そうだよね?ほら こんなに赤い
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袋詰めのため息たちがベランダの避難戸を塞ぐ 飛ぶしかない
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エレベーター降りる人が先なこと知らないままに大人になる人
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きみが泣く 質量保存の法則がその涙をぼくに飲ませる
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日本というなにかを守りたいという母はベッドで寝ているという
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森友の文書開示の判決に非業の冥土に正義はためく
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