夕の風 昼の暑さを詫びるよに しなびし五感に秋ふわり来る
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玄関で 仕事に向かう 俺にキス リステリンしか 感じないやろ
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朝焼けが 茜の雲を染め上げる 黎明の空一人眺めをり 
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誰でもない 誰かが拡める 価値観に 一喜一憂 私は誰だ
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このところトイレを探す夢を見て大あくびしつつトイレへ向かふ
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睡魔とは来て欲しいとき来ないもの 来ちゃ困るときやって来る客
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片想い 曖昧という 関係の 胸の鼓動を 感じ取る日々
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悪夢見て叫んで起きた真夜中は ビジネスホテルのシングルの部屋
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Aのやつ 最近アンタを推してるで」 うそ!? A 君は私の好きぴ
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開口に 二つの音を 巡らせる その一秒を 惜しむこと
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雲がかる 夫問つまどい予期せず あごをだす 夢見た心ぞ 噴き出す愛情
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Tシャツを 着ている姿 シルエット 気がついたらさ すごく変わった
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むすめ来て嬉しいあまり夕飯にこさえたものを覚えていない
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愛しい子大切な母は居りますが恋愛対象欠員である
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あの人の 想起させる おぼろ月 包み抱える 僕の心海しんかい
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カラスってマジ賢いね だってさあ うちの網戸は枠しかないよ
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涼風はどちら側から吹くでしょう?夏と秋とがゆきかうみち
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侵食止まれ 不可逆性 GPT脳よ
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アルバイトおいらってさ、それでしかないだからそれ以上も未満も
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「積読」も電子書籍で買ったなら画面の奥で罪悪も無し
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浮雲うきぐもの下弦にかすかに照らされて 日々流れゆく小舟の旅路
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食べられぬ母の茶碗は幼児用過ぎて越してはプリンのカップ
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8月の終わりに気温のグラフとか捏造してた小5小学5年生の夏
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ありがとう。ありがとうしか言えません ため息よりもホッとひと息!/ねこ母様へ
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いつの日か、歪めた物差しの目盛りが標準になるその日が怖い。
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かえした荷物がほどかれて元の場所にもどるころ あなたは何を考えているかな 
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だけれどもみんなによくみてもらうため、私はそっと目盛りを狂わす。
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私には私のための絶対の物差しがあり、それは折れない。
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無垢気取り可愛く死ぬの 掌でシュークリームも膝を抱えて / 穴
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あいまいをあいまいのまま放っておく その方がきっと世界はカラフル
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