はつかなるこゑにも揺るる蠟燭らふそくのちひさき明かりのちひさきほかげ
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問い掛けに隊伍の解は参集しマンデルブロの海岸を征く
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平成を終わらす雪に背を向けて「オッケーグーグル、わたしと死んで」
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ドロップ缶さいごのひとつかみ砕きわたしの骨はこんな冷たい
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ただ生きてつられつられの毎日を見えぬ未来に費やす悲観
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寂しさに骨があるならきっとぼく無理やり骨を折り続けてる
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裏切りの色を纏ひし彼の人がどうか救われましますやうに
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ねえ、ねえ、ねえ なあにと言ってほしいから わざと何度も名前呼ぶ
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煎餅がテレビもラジオもかき消して 明日はきっとマシュマロ食べよう
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暖かい できたてバーガー プラスして 君の笑顔に 胃が満たされる
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昼間より 夜が眩しい 繁華街 眠り忘れた カラスが踊る
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産まれたて 大きな声で 泣き叫ぶ 我が子元気で パパママ涙
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そうなのか 篠津運河と言うんだな ここから見える あの水路って
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TLに萌え絵と自爆テロ並び等しく消費される日常
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さみしさはわたしひとりのものでいい下腹部の傷はちゃんと閉じてる
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いつまでも親の呪縛がとけなくて夢の中ではまだ反抗期
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鐘のおとの消え行くさまを眺めてもで来るものは 君の無き秋
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天翔る銀河鉄道のおと響く 白きわだちを窓に降らせつつ
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金鏡の空ゆくものぞまみえなむ  届かざれども影だにうつらば
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秋の夜の千夜の八千夜の通ひ路の迷宮の果ての夢はまぼろし
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星なのか星屑なのか屑なのか天に流れて示してもらふ
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しあはせの青き鳥すむとりかごに何もあらずと云ふ人あまた
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家のなき人と蠟燭らふそくかこみつつ七面鳥の受難日に謝す
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「この世をば我が世とぞ思ふ」そんな歌を詠んでみたいと望月見上げて
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空白をうめるすべなど知らなくて瞼閉ざせば柔らかなやみ
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財布、鍵、携帯、ハンケチ などといふ  はづかしくなき  私の全て
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思い切り笹薮の中 突っ込んだ 雪降る田舎道 人気無し
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この世をばわが世にあらず望月の光は吾にも降りそそげども
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ランドセル みんなの期待 つめこんで 私の夢は つめる場所なし
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長針の 大人のまわり ちょこまかと 動く短針 元気な子供
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