ティーポット宙舞う茶葉が沈みゆく この数分のための一日
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聖帝の 「愛などいらぬ。」 よくわかる 愛したことで ツラく哀しい
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シンデレラになるのは無理だとしても、ガラスの靴を、履いて生きたい。
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もう触れぬ 手は切り落とし 涙する 眼はくり貫いて 心はそらに
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ゴミ捨て場 原稿用紙 散在す かすかに漂う夢の残滓
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自分作クソダサ映画で泣いている 好きだったのにわかってたのに
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背表紙をなぞる手つきでわたくしのせなもひっそり触ってほしい
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褒め言葉 受け入れ準備万端です 褒めて伸ばして欲しいタチです
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年相応 そんな言葉は知らないよ 私は私の価値観で生きる
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筋子はららごをそおっと取出す指先に触るる凹凸命幾千
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いつの日か忘れる時が来るだろう 今までだってそうだったんだ
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思い出は綺麗なものときいたけど 綺麗なままで忘れていきたい
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白河の関越ゆる雁ことづてむ霞とともにたちし都に
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夏休み 宿題として短歌だし 我が子だけだときいて期待す
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高校の時分に買った服たちとそろそろ別れてもいい頃よ
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転職し 制服のあるありがたさ 服に迷わぬ楽さ実感
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この海を 美しいまま 残せたら 願いよ届け 美ら海の島
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引きずられ差し出した手も振りほどき施設へ義母は 名月の夜に
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しばらくは虚しさだけが残るだろう 誰もアンタに期待してない
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「人間を断捨離するのにはまってて」そう言う君を俺は捨離るね
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低くとび 実りの秋を待つ鳥が そろそろかねと 案山子かかしに尋ね
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缶詰の日は延々と食べている さながら猫用ビュッフェのようで
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あの頃は 君と歩いた 並木道 今も歩幅は一定のまま
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四十路すぎ 人となりとは顔に出る 他人ひとの顔見て我がふり直す
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うつくしい星に住むにはうつくしい肺と心が必要なのです
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傷つけた 傷つけられた それだけだ それ以上でもそれ以下でもなく
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日の入りが、早くなったね 雲に残る ピンクの夕映え あしたをおもう
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人の山 お礼参りも ひと苦労 パワースポットの名、伊達じゃない
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神無月 迎えてもなお 残暑あり 地球沸騰 現状を知る
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ひとつだけ ピアノの音と歌声に 浮かびくる ロックはいつも 心の中に
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