この雨は昨日の君に降りし後 吾がたそがれの袖を濡らしつ
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目にくくむ花のにほひはうばたまのやみのまにまに渦となりゆく
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紅葉々になにならひけむ言の葉やかきつむ袖を思ひこそやれ
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銭湯で卓球をするおばあさん卓球台は明るい台なり
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いろいろなことに「わかる…」と言うだけのbotのようなものになりたい
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ぶらんこに立って乗ること愛なんかなくてもやっていけていること
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だいじょうぶおまえは雨じゃないんだよだから安心して落ちてこい
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ほんとうは私もいつかペンギンになるのが夢で上京したの
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シャイニング・マスタベーション(そう、それは光り輝くためのオナニー)
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町はもう魔法少女の夢のなか大人のいない戦争がある
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どうせ手に入らぬならばこなごなのガラスに変えて肺へすいこむ
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輪郭のかすみて揺るる満月のかかやきのふと白薔薇となる
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灰帯ぶる藍のあはひにうす目あけ甘き月光吸ふ四足獣
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沈みつつ影も眠れる午前四時 文色あいろなきしかしてゐる
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銀灰の月の呼吸につつまれて会話のかたちにある白き椅子
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強くなるために離したものたちを僕の弱さが忘れさせない
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僕はいま JAFジャフ待ちながら詠んでます かしがっている車窓の景色
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おろかなり たもと須魔補スマホ 眺めては 指でつつきて 時ぞ去りゆく
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ユウ君を選んだあとに司会者が「モンティ・ホール」 迷わず変えよう、最後のナオ君
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突然の 雨に君の手 しっかりと 握って走る 真夏のデート
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肝試し 守るつもりが 守られて 明るいとこで 恥ずかしい俺
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マイナスは プラスに変える 必需品 よく噛みしめて よく味わって
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木漏れ陽の こもれびの 道行く人ら お互いに 掛ける挨拶あいさつ 山のたのしみ
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雲とぢてあらずとも思ふそなたより雨そふ夕はあらはれぞゆく
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見ぬそらのいろほのめかすひとふしを白雨の窓にうつりてぞ聞く
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客人まらうどの去りて静けきくりやにて赤葡萄酒の赤きに沈む
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戦争も飢餓もなく日日詠みてゐるしあはせはこの頁の歌歌
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はつかなるこゑにも揺るる蠟燭らふそくのちひさき明かりのちひさきほかげ
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問い掛けに隊伍の解は参集しマンデルブロの海岸を征く
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平成を終わらす雪に背を向けて「オッケーグーグル、わたしと死んで」
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