朝8時 あれやこれやと振り返る 日勤ナースにバトンタッチ
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午後8時 ドクター、ナース、コメディカル 打ち上げ花火に元気もらうよ
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もう次の場所がないんだ失恋の数だけ増えるピアスホール
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君の首 くくるリボンを選ぶから 週末は予定あけておいてね
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お互いに「好き『だった』」はず それなのに、どうして今日とておんなじベッド
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真夜中にふと目覚めれば懐かしき父の残り香 夢で逢えたら
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悲しみは触れたところから溶けていく ほんとかどうか確かめさせて?
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もういいよ、全て暑さのせいにして 明日にはキスの意味も忘れて
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もう嫌だ 風が吹かないベランダで遠くを見遣る 終わりがほしい
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夏は暑い何もする気にならぬほどでも冬よりましと思い我慢す
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いにしえの約束がいま果たされて俺たちはもう離れやしない
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遮断器で区切られている十五分過ぎる表裏をふたりで見てた
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悲しみをどうぞ旨味にしておくれあの娘に作るカレーライス
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梨の実に刃を入れていく感触でまずは味わう旬の歯応え
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君のため ラムネの切手を選んだの おそらく君は 気づかないよね
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夏は暑い夜は眠れぬ口笛を吹きつ夕暮れ散歩してみた
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灼き付いてしまうねこんな暑い日は たった一度のくちづけさえも
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帰省後はあれもこれもと考えた献立悲しまたの出番に
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恋しさが溢れ出しては感傷に過ぎないと言う臆病者が
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君のように誰かを救ってみたかった (……自分自身すら、救えないのに?)
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宇宙船通勤風景思わせる大江戸線の乗換通路
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行ってらっしゃい その一言で 一日を 頑張る僕は 単純明快
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指先の成層圏をすれすれにして切る爪の白と肉色
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イヤホンを外した後にエアコンの音が大きく聞こえる夏だ
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抱きしめてそのままとけあいたいなんて思う 融点35℃で
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君思う 中に一日 過ぎてゆく 誰が名付けた これが恋だと
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飼いイヌが行方不明になったけどご飯食べてる 涙はでない
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牛鬼うしおにはわれりたればこの里は安かりたらむとぞ言いためり
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ひょろひょろで無口なきみは元人魚 お風呂で船を沈めてあそぶ
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青いじゃんそう笑ってた君の舌 真っ赤に染まりつられて笑う
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