あさ    フォロー 59 フォロワー 41 投稿数 182

詩作のかたわらに詠んでいます。よろしくお願いします。

単数形生活感のアパートのこおりは溶けて夏のしじまに  

ひとらしく踊れる土地をさがせども地球の果てに義足がひとつ 

枯れ果てたオマタジャクシの群れのこと想うひとりひとりの筆跡 

音のない世界のことを想うその心臓だけが生きてる世界 

雨踊れだれにも言えぬ本音だけ隠して濡れてここに残して 

きらめきを拒む星々の距離のことあれは夜空の眠りと思う 

ひとびとにひとりひとりに道はあり あしたの朝に卵がひとつ 

あまたある意味さえ濾してさしだしてぼくらは歩く海への道を 

季節とは挟みこまれたフライヤー やがて岸辺にカモメが届く 

黒点があわく浮きだす瞬間に三日月を食む 熟れた地球で 

汗殺すあなたに残る石鹸とタオルの湿り垂れて折りにし 

酔客が絶えず香りし早朝の 接続詞の詩 渡り鳥の死 

天照らす空照らすとき雲の果て涙のひとつ垂れる大陸 

霞みある朝にも香るものがある雑踏鳴りし人のまにまに 

ベランダの八月の青 早朝のまなこは冴ゆる月の名残に 

汗の垂れだれもかれもが皆いずれ真夏に燃ゆる墓に祈りし 

熱中の枝葉のなかに潜みたる水さえ捧ぐ夜見の砂漠 

夏蝉のこころは夜に残されて アスファルト鳴るカラカラと鳴る 

森の奥 部屋の終わりと始まりのあわいを忘る廃屋のあり  

ドアノブの銀色きらきらきらめいて冷たさしめす首筋だけが 

扉開くそのとき夜は降りてきてとばりを破る獣が叫ぶ 

旧宅の当日消印有効の手紙の古きしじまの香り 

さんざめく小鳥の声のなつかしく裸足の森の枝おれる音 

星々の滅んでひかる気がしてる 割れる氷の音より速く  

横向けば過ぎたる日々のひとときの送りを許す風に祈りし 

うそのない唸る獣の声ききて階段くだる四本脚の 

あいになる鳴らない鈴の藍になるしずかなひとのあいに答える 

孕めないゆめの子どもは儚くて置き忘るるは砂糖菓子の日 

雨という景色を知らぬ人のため筆とることのほんとのやさし 

満ちた月 吊るした人を照らせどもひかりの化粧ましろに映ゆる