悲しいと寂しいだけが最後まで無くならなくて虚しい朝顔
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さよならよ今だけ優しくそばに居て明日には何も残らないから
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猛暑にも秋を感じる涼風に冬は嫌だなと思う吾いて
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くちびるのまわりいっしゅうつぶつぶのトマトジュースに愛されている
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生活を忘れているような性質たちに優雅と贅沢の名をくれた
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記憶の水 君の小2の家遊び どの夏も同い年だったね
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君待ちの蕎麦と映画の贅沢を褒められながら肌すりつける
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五分先でさえ言葉にしてよとは言えないだから綺麗でいるね
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伝えたい本音を炭酸水で割り 当たり障りないスパチャを贈る
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アルバムの列にぽっかり空いた穴 一番好きだったはずの曲
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悔恨の夕暮れは来て首を垂るわが身の様に暮るる向日葵
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君のその 一つひとつの 細胞に 愛の一文字 溶かしたい夜
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返されたテストを喰らうシュレッター 紙屑泳ぐ肺魚が見てる
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なんとなくはじめた旅をなんとなくやめられないまま最果てに着く
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暗がりに立ち現れて顔寒き銀竜草はわが背後霊
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蟬死んで蟬死んで蟬死んで蟬死んで白雨で流して晩夏
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逆立ちに励む子 寝る子 上裸の子 思い思いの井の頭公園
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日に焼けた少女が投げた水風船 一生分の夏が弾けた
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向日葵の友は太陽だけでなく夜には夜のフィボナッチ数列
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パチン、カチ、パチパチカチン 君の爪、四角いんだね 私は丸い
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肩書きで 我呼ぶ君の もどかしさ 名字で呼んで 名前で呼んで
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白菊が今日を象る花である 忘れぬように強く目を閉づ
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「賞味期限、今日までだった」と手に取った牛乳みたいな私の暮らし
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汗だくの暑さに代謝がいいというくるしまぎれも残暑に負ける
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「強いて例えるんだったらヤムチャかな」恋の終わりはこんなに近い
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多分だが人は言葉で生きていて言葉で死んでしまうのでしょう
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喜びを隠しきれない攻撃を諦観にして見定めている
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さっきから灯りが夜に映えるまで過ぎゆく時間を待ちぼうけ
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撃ち抜かれ 幾度も幾度も膝をつき こうべを垂れても 捨てられなくて
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この夏はバイク走らせること多しやることもなく行くとこもなし
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