中村鉛  フォロー 0 フォロワー 1 投稿数 21

落ちたペン拾ってくれてありが あれきみコンタクトだったんだねえ 

アパートを移るたびに研ぎ澄まされていく一人暮らしの蔵書 

文豪の行きつけだけが纏っているカフエエだった時代の残滓 

湯上りは開けた窓を背に座る風をはらめよ闇を吸えよ、髪 

朗読を浴びてインコはただひとり文語を使う風立ちぬ。いざ… 

校則の厳しい彼女たちのロッカー誰かが置いてった除光液 

ソーサーとカップを伏せて組み合はすラスト平安貴族の子らよ 

ポリ製の心で熱に弱いけどいくら泣いてもまもなく浮かぶ 

詩は生きているさ捕まらないだけでのはらうたを訪ねてみろよ 

この次にコップの氷が溶解しかちりというのを春と呼ぼうよ 

ぶちまけたフローリングの白ごまも再来週には芽吹け、と笑う 

野の花を包むんだから外国紙それも音楽の記事にしよう 

決めつけの激しいそういう気性タチだから花占いもツツジをちぎる 

切った指よりも孤独がしみる夜 一人暮らしはまだ五日目で 

ストロベリーシェイクが重くて、舌ばかり順調に大人になっていくね 

切り出せず仕舞った言葉は飲みこんだ飴玉のごとくつかえたままで 

Zippoはだめ使い捨てのにしなよオイルが尽きたらやめられるよう 

欲しいのは手放しの自由ではなくて100mの鎖、あと小屋 

はだしでしか歩かなかった頃のわれガラス片も石も傷が覚えてる 

「前線」には血生臭さがつきまとう桜前線は冬を殺して 

本棚の写真をください図書館で出会う前のあなたをなぞるの