Utakata
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中村鉛
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くそったれ今に見てろとその熱でハーゲンダッツを食べごろにする
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お手軽な自分の城が欲しいなあリンガーハットの居抜き探すか
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寝たふりでふるえる瞼 苦笑いして助手席の子を抱き上げる
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体裁を捨てると決めたそんな日の練り物だけのコンビニおでん
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右奥の最後の乳歯を抜きたくてスニッカーズで丸む片頬
2
持っていきそびれたもなかがひと月の湿気の分だけ棚を圧す秋
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その前に急ぎハーブとスパイスを飲み込む
来
(
きた
)
る火葬のために
4
ない恋の歌を詠んでは灯籠をさらりと流すみたいな供養
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ペンは剣よりも強しと聞いてから詰替芯はわたしの弾丸
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なんとなくヤクルトを歯で開けてみるアルミの味がしてアンチ・大人
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まともには見れないでいるお冷やとか窓を介した像を見ている
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ポリ製の心で熱に弱いけどいくら泣いてもまもなく浮かぶ
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冷房はやめてさデカい大理石据えて時々抱きつかないか
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舶来のタイルに仰向けて眠り幾何学柄の夢を見ている
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朗読を浴びてインコはただひとり文語を使う風立ちぬ。いざ
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校則の厳しい彼女たちのロッカー誰かが置いてった除光液
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ソーサーとカップを伏せて組み合はすラスト平安貴族の子らよ
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この次にコップの氷が溶解しかちりというのを春と呼ぼうよ
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ぶちまけたフローリングの白ごまも再来週には芽吹け、と笑う
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決めつけの激しいそういう
気性
(
タチ
)
だから花占いもツツジをちぎる
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ストロベリーシェイクが重くて、舌ばかり順調に大人になっていくね
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欲しいのは手放しの自由ではなくて100mの鎖、あと小屋
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はだしでしか歩かなかった頃のわれガラスも石も傷が覚えて
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「前線」は血生臭さがつきまとう桜前線は冬を殺して
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