お上がりの息子のシャツ来て鏡見る「若返ったわよ!」にニタッと笑う
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あと一行 ここまでやったら帰ろうと 言いつつ いま もう七行目
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どうせまた待つのだろうと病院へ 遅刻した日はガラガラで
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ねえ、僕の知らない君にはいつだって不幸であって欲しいんだよ?
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ドア近く一所懸命根を生やす 大江戸線の大ウド小ウド
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いつまでも違うふたりであり続け比翼連理のゆく果てを知る
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おれとしてはあのたいへんな生命力に敬意を表し「地下じげ」と読みたい
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むせかえるほどのセックスのにおい教室に満ちて透明になる
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春の日に沖つ潮合ひを見渡せば霞の裾を洗ふ白波
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友達と交換してたポケモンを二十年間見かけていない
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押し付けられ今日も残業 ドラマなら誰かが見ていて報われるのに
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環状線そば屋のカツ丼お預けで手応えのない新規営業
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また同じ荒野でバグが放たれて星座が牛に降ろされていく
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1日をどう楽しむか?が生きる証しか、仕事の後は、軽スポーツにかぎるね
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天気はよいが、花粉飛散大量、耳目やられっぱなし、まいった
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おまえにも花を手向けていつか皆変わっていくと口ずさむんだ
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今日も定時退社し、悪友よりゴルフ⛳️打ちっぱなし誘われ、これから400発にトライ🏌️‍♀️
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横向きでねこが寝ている 無防備な てってとあんよを握りたくなる
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ひかりのなか レースカーテンのゆらめきに波のおもかげをみている 遠く
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ふとよぎる遠い昔のワンシーン悲しき過去も懐かしきかな
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1年間お世話になった教室のワックスのにおい春はもうすぐ
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まだ少し冷たい春の夜の風引っ越してきた頃の風だね
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春風が蹲る華の枷解かば黒山羊の眸にもモネの来たらむ
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綺麗だ!月が綺麗だ!知ってる。刹那に裂いた思いの花束
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「じゃ、またね!」と笑顔で去った友の背に「… よし。」と溢した彼女の気持ち
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鳥一羽 息ながくき 飛び立てり 耳に残るは 懐かしき声/ さよなら まるちゃん
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薄雲の空から降りて街も山もやわく白く包む春の
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目の前を 仲睦まじく じゃれあう蝶 お邪魔せぬよう ペース落として
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この時期になると近年風邪をひく いよいよ認めんアレルギーかな
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桜花さくらばな散るように舞う春の雪あなたはきっと忘れたでしょう
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