警告も げんこつだって 恐れない 失敗なんて 無きに等しく
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人生は 逸脱すれば 警告が 調子に乗れば げんこつが来る
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えらぶなら姓はガルシア名はペドロ鳥など飼うて世を過ぐしてむ
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あまおとのふたりっきりの触れる音 靴ひも少し余る気がする
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傘がひとりひとり揺れゆくこともある歩みしずかにしずむ心地で
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頬紅をさせば息あるごとく見ゆひそやかに鳴れラヴェルのパヴァーヌ
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雨音はクレッシェンドの気配してカフェにあなたの足音はまだ
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少しずつ風化してゆくあの夏に油性のペンで書いた恋情
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あぁ、いくら洗濯物がたためても心のたたみ方は知らない
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月も星も誰もいない今夜だけただの男と女になろう
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半分に割られし桃を君と食むときしずしずと積もるしあわせ
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歌姫が「あ」の一音で染めあげる初夏の朝空 恋がはじまる
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心から生まれこぼれるものだから涙は詩だよ 我慢しないで
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誰の名をなぞっているの やわらかく光るピアノを弾くその指で
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はつ夏のひかりを帯びる日記帳 たったひとつの「五月」の文字で
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その名前呼ぶとき君はいつもより春のひかりの表情かおになるよね
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唯一の取り柄はわかりやすいことあなたはキキでわたしはブーバ
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微かなる雷鳴部屋に轟かせ水鳥を追いかける夢みる
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近づけば新たに何か見えるので何かがそこにあることにする
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寒いのは好きつなぐ指からむ脚なんぞはないが猫は布団に
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駅を出て急ぎ歩けばバス停の先頭に立つ だからなんだよ
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くるくるとダーマトグラフむくやうに帯をほどけばしろき膚みゆ
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あざやかに火花は散ってあの遠いとおい空から海がみえるよ
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まだ少し距離ある友にボンビーをつける気持ちをこの歌に乗せ
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茜さす日暮れの野火のけむり鎖さす 夕影ゆかげの頃ぞ山は哀しき
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おとこなら呑め打て遊べ派手に散れ 墓標代わりの一升瓶よ
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さぁ行こう春光が指すあの場所へ 不協和音は止んだのだから
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きみの声だけ聴いてたい不眠にも胃の不調にもよく効く薬
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若い芽を摘むな蕾も摘むな空の青さに罪はないだろうが
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この足じゃどこにも行けない行けないよ 光も影も抱く三月
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