教室の窓 晴天に稲妻が 今木星は 嵐なのだろう
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ライブラリ 心に沿わぬ歌ばかり 開いて閉じる 朝の憂鬱
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くもり空 時折り差込む 光のように 君が笑う その時がすべて
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シャツの袖 たくしあげた 小麦色 ずっとずっと 生きていてね
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梅雨冷えやポタリポタリと東風の勢(せい)一粒ずつ雨粒落とす
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経験は 活かしてなんぼ 認めずば 無駄な人生 認めることに
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年老いて 歩くことすら 億劫に なりて我が身は 消えゆく程に
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独特の キャラをもっても 組織とは 装置のように 無機質はもの
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胡蝶蘭 車に乗せて ゆっくりと 法定速度 守れるように
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胡蝶蘭 顔近づけ アレルギー 酷くなりつつ 臭いもしない
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愛すれば 会わぬ時には 寂しくて 会える時には 切なく思う
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胡蝶蘭 美しきこと 君のよう 部屋の隅にて 光り輝く
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ロッカーは胎児の夢を見るべきかそんな事件があったりもした
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髪解き左右確認するひとの頭をたたく梅雨の先触れ
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とくべつじゃ なくてもいい、と言うだけの 確かなパンを僕は焼けない
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突然に宇宙の真理を悟るとか、よくあるらしいから気にするな
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かなしいは寄せては返す波だから 浜で一緒に満ちるの待とう
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逃げた猫さみしさよりもその様が死に物狂いでごめんごめんね
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錠剤が私を救うヒーローやしてやあなたなんかではなく
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タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命
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軒先の番鴉や 楽しげに 本日の予定 立ててるようで
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軽やかにシジュウカラ鳴く薄明かり我転がして唸る目覚まし
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曇天に芍薬 赤き朝露の流れて 薫る土の我が庭
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夏至の太陽 漫画家が へったな絵描いて 子等笑う
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東京にとらわれてるでも好きよ 愛想のいい、ここは地獄ね
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食べきれぬケーキ 解体・冷凍す 今日はわたしの誕生日なのに
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水無月の一日となりて帳面に黒くはっきり月初の数字
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沈んでは浮いて沈んでまた少し 浮きながらはく水の輪どこへ
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百億の眼がともに見る夢ならばほぼもう現実のようなもの
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燃ゆ躑躅 一輪手折る 吸いあげた 火傷しそうなほどの蜜
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