充実の昨夜の呑みを振り返りエンジンかける車と胸に
9
奥方と子らは我が家に集まりて空き缶七本片付ける朝
7
丁度よい二軒目がなくお隣でカフェラテもらい五秒で帰宅
7
お互いの家事の労苦を褒め合つてお好み焼きを半分こする
12
カウンターキープボトルの酒もらい煮込みをつつく隣家の友と
6
結婚記念日(きねんび)に夫がくれたシクラメン 最後の一輪 可憐に開花
32
乳酸菌ばかりが朝ごはんになる 綺麗な固形物を食べたい
9
公園で 腰を休める その背中 缶コーヒーと 肩を並べて
7
生きている だけでけっこうすごいこと たまには自分を ほめてあげよう
11
もう一度 君の言葉を 聞きたくて 七秒前に 遡(さかのぼ)れたら
22
また一人 地獄へ向かう 舟に乗り 船頭歌う 鼻歌を聴く
6
行く道は 様々なれど 行き先は 低き大海 高き頂き
3
自らの 足を止めて 振り向いて 高みを目指せ 風に逆らい
5
う蝕有り歯科行き確定のキミが いちご飴咥えて投げ捨てる診察券
4
低き方 流れるままに 身を委ね この世を過ごし 天を仰がん
4
この世では 水は低きに 集まりて 大海となり 静かに淀む
3
小説を 書くのはハードル高いけど これならできそう短めの歌
11
今はただあなたに解体されるきゃしゃな 鹽鮭を眺めてる それでいいの
5
低き方 流れるままに 行く水を 愚かと思う 人に譬えん
2
谷底の 石を拾いて 石垣を 作る職人 無き事もなし
3
認めちゃえとうとうデビューしたんだとめちゃつらいでしょ花粉症って
13
谷底に 石が溜まった 場所があり 転がる石の 安住の場所
4
雛人形 大事に仕舞い また来年 目だけで語る 十五人なり
22
坂道を 転がる石は 自分では 止まることなど できない定め
5
青空の下を電線頭上より西へと走る気持ち良さげに
12
燃やすゴミ 家族(いぬ)のいた分 量(かさ)の減る 胸潰(つぶ)れんを 耐える月曜
17
焦りつつ速く動けと思い出す島村ジョー(サイボーグ009)と東八郎(8マン)
6
速くやる時間までには終らせる急いで済ませ時計追い越す
10
阿炎の手がお約束のよに伸びてゆき 新横綱はなすすべもなく(想定してなかったの?)
10
九十路(ここのそじ)爺のこぼすや老老の介護の難きもリハビリに凪ぐ
21