なにくれと「可憐」について考えてひとの堕落へたどり着く今日
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ちゃん付けで私を呼んだ最期まで 反抗ばっかで父さんごめんね
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眼は死んで 体に穴が空いている 俺は虚か。 死神送って
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あなたからふわりと過ぎる炭の香は清潔感ともしや言えたり
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歌番組見ながら麦のジュースをね 明日出かけるからゼロでジュースで
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絞り出す 最後まで最後の クリームを。 主婦が得られる 小さき優越
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母さんを 一人にできぬと 息子キミの言う そんなに私は 危なっかしいか
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羽根のよに かろやかな恋 いいけれど 私はマグマの 恋がしたいわ
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ママだめよ!サンタさんへのお願いの手紙を先に開けて読むのは
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その言葉に何一つ嘘は無いと信じて生きていけたら、もっと、
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これ以上壊れるものなど何もないはずなのに踏み砕かれる日々
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友人よ、腐ちゆく私の老い先を関わり薄れど見ていてほしい
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手から物、脳から記憶、座椅子で意識、試験に私、尽く
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うち時雨しぐれ つゆにぬれたる草枕 たびゆきなるも夫戀つまごひのうち
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きみといる心ほどけるこの空間これがわたしのしあわせなのだ、と
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寝坊してメイクも途中で出てきてもそれを遠慮なく言えるしあわせ
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陽が沈み夜が散りばめられてゆく月の出番を待ち焦がれつつ
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ニュートンは引力という解につくアダムとイブはかじっただけで
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解熱剤飲んでもきっと治らない「真珠の耳の」君に恋した
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恋愛と平穏を天秤にかけ捨てたものほど輝いて 冬
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怪作は ギリギリでこそ 生まれると 締め切り前日の自己暗示
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冷蔵庫 残り物にて二句三句 創作持ち寄り賑わう句会  
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軽トラに積まれしクリスマス飾り 何処へ運ぶや爺様三人
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月の傍そっと近づく金星に愛の静けさを教わりました
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添いきての半世紀過ぐ夫に向け嫌煙権をいく度掲ぐ
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50代折り返してるわたくしの 唯一の自慢は白髪が無い事
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年の瀬とニュースで流れピンと来ず 師走の日々だけ前に進んで
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想い出の笑顔の彼は20代 我だけシミやしわが増えてく
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自称・恋する乙女をつらぬいて いつの日かまた貴方と逢えたら
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壮健そうけん」の 意味を知らぬか 同僚よ 辞書を引いてね お茶じゃないから
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