彼の子と思って大事にしてたのに鑑定したら夫の子だった
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あの人の煙草の匂い、とふと気付き にわかに胸が煙たくなるなど
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特売日 半額ですが いかがでしょう 僕の心 約5kg
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俺様が本気出したら凄いぞと呟きながら鼻クソほじくる
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人形に釘打つ子の刻参りとは 犯罪者にはならぬまじない
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ワインでも安いものならスクリューキャプ きゅっとひねって明日に回せる
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君の返事を待つ午前零時頃 角砂糖入りのココアは冷めて
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髪や服背丈がいくら変わろうと 言葉と心あの日と同じ
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一年でいなくなってしまうのなら世界を救ってほしくなかった
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馬鹿にされてなるものかこの悲しみを生きてきたのだ弱いままでも
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この街でポイントカードを作らないあの子はたぶん辞めるつもりだ
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無能だと母が見捨てた僕にでも君を救える武器が短歌で
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ひたひたに注がれている悲しみをこぼさぬようにそっと飲み干す
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嘘つきの高級ディナーなんかより あなたと笑い食むワンコイン
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母に刃物突きつけ捕まった少女よ 私が君だったかも知れぬ
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日が暮れて 箒掃く音 境内の  銀杏の香り 微かに見えて
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野良という余地が減りゆく街である良いとか悪いとかは別にして
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どん底も眠れぬ夜も生き抜いたあなたの轍に咲く花を摘む
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猫ならば生きてるだけで愛される 神様来世は猫がいいです
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君のこと君がいっそう好きになるように施すまじない「お化粧」
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大切なものも会いたい人もなく 飛べない鳥は羊を数える
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幸せは基準がないから残酷だ 人と比べてまた傷ついて
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ふくよかな野良猫のびる陽だまりに春を見紛う 欠伸がうつる
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如月とピアノの上に青が降る 夜で逢えたら昔話を
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そらをみて私をみてよねえねえねえ生い茂る音あの夏の花火
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鳴りやまぬ私の恋よどこまでもとどけとどけと星空にダイブ
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夏物のワンピースがまだ着れることを知る 明日も冬未満の日
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君の返事を待つ午前零時 温いココアに溶かす角砂糖
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カツサンド弁当箱に詰め込んだ 今日こそ君に話しかけるの
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どこまでも白くて細い首にたくさんの麗しい愛のしるし
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