手を繋ぎ夢でも会おうと約束す ラッコたち眠る波のゆりかご
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余韻って 欲しがりだから 帰り道 寄り道すると 喜んで風。
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あち東風で 子供と桜 舞う今日は いたく春ある 心地こそすれ
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気がつけば人口2割減ったよな無人の駅で食むバターパン
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れ、れんらく、さき交換してみませんか?どんなシミュレーションも潰える
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10年の社内恋愛をしていたと苦笑いして話す同僚
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君の手も君の眼差しも愛しいよまるで中学生の恋だな
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カーテンをすり抜けてくる夜の吐息あなたの肺の律動を思う
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人波のベルトコンベア乗りこなし プロセスフードに思いを馳せる
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幸せのハードル低いと笑いつつ  ごはんがおいしい、ただそれだけで
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ピアス開け、髪も染めたの。個性だし。 そういう「キャラ」に見られるだけか。
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ピアス開け好きな髪色染めたけど。 君にとっては「そういう誰か」。
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個性的?珍しいだけ。普通だよ。 所詮あたしも何かのパクリ。
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山の端を 真っ赤に残す 夕闇を 水面の写し 五月寒
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店先に並んだ花はどれもみな きれいだけれどラベル貼られて
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アルバムのかわいい若者僕だった。 いつから俺と断絶したのか。
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進化せしダルビッシュ有の一◯一球あゝ早起きは三文の徳
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「桃源に行けたらいいね」呟いて目をとじたなら宇宙は消えて
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今日の朝何食べたっけ ばあちゃんはどんな顔して笑ってたっけ
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黒豆パン またも うっかり買いそびれ 丹波篠山が恋しくなりけり
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せわしさに追われる次男もふと見上げて欲しいと思う やわらかな月
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紫陽花のブル|が濡れている「またね」ってあのとき私言ったかな
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温もりと寂しさ秤に掛けてみる 足りない方が何時でも重い
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探査機の悲痛が土にとどくまで書き換えていく時空レコード
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暗闇で輝く愛しい宝石が箱を開けたら砕けて散った
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日がのびて 明るい時間 長くなり 嬉しいけれど 仕事終わらず
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モエカさんの歌う「痛くて仕方ない」にしかない痛さ 留めて
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夢で見た箱の中身がなんなのか知ったらきっと世界がおわる
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毎朝の笑顔練習板につき化粧落としてもマスク剥がれず
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月齢に頭痛の熾火おきび植えられるあらしの頃に極大となる
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