もう一度 始めよう それが別れの 春であっても
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春並みの暖かさとかだまされた午前に日陰歩けば寒し
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立春を十日過ぎても真冬日の桜もちだけ唯一の春
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いつまでも 気後れのまま 背中追う おいつけないのが しあわせなのかも
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あなたには 2つあげるわ チョコレート すきの二文字よ 早く気づいて!
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言葉には できない想い 歌に乗せ あなたに送るよ 春風と共に
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二人とも 平気なフリで 肩並べ 煮えたぎる愛を 胸に隠して
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十七の君に渡したチョコレート パッケージ褪せアルバムにあり
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真っ白なレースのカーテン揺らしつつ 春風ふわり 部屋へ迷い込む
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ひまわりのような恋なら古希だって「あのね」「介護じゃないよ」「うふふよ」
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きらきらと春呼び寄せる陽光にスカートの裾ひらりと揺れる
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どの向きも足が飛び出る掛布団 ピザ作るようくるくる回す
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余白だけ 句読点すら ないままに バレンタインに 指先が揺れ
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アイロンのスチームしわを伸ばしてく畳むハンカチ鶴を折ろうか
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返却はポストでいいからお手紙を出す時みたいにコトリと本を
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ぐでぐでの 酔っぱらいの 力説は  ホントの話 ここは海だった
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花屋から淡いフリルが香り立ちほのかな喜び思ひ出しけり
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「知」の期限 記憶の断崖転び落つ 陽の落ちて喰む蒙昧のゆらり
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スーパーに 百円の春 並びおり ピンクのスイートピー まずは仏壇
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迷い込む夜の近道チャリの罠ドラッグストアへ助けを求め
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マニキュアを塗らない爪の三日月に映えて愛(かな)しき薄紅の色
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好きだよと言ってみてよとせがまれて言いも果てずに笑い合いたり
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ガムとゴム二重語と知るや噛むガムを吐きだしにけり ゴム臭しとて
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ある人は口開けある人は凭れ掛かり優先席の長閑なる午後
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小春日の電車は運ぶ 半数は居眠り続く優先席の人
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聴く力話す力も頼りない司会者が何故二十年もつ ついに降板
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無能なる弁護士選ぶ愚かさが例の市長を追い詰めにけり 田久保某の家宅捜索始まる
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恋心保ち難しも うたかたの消えつ結びつ定めなければ
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うたかたの候補者にさえさきわいのありし選挙と笑い合いけり
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婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
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