若い日の苦労をさせちゃいけません不幸の色がずっと抜けない
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肩凝りも時にキツめに押されると心地良いのと似てる辛抱
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いい事が無い事だけが常であり案外これが居心地が良い
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足裏にほくろが一つあることをわたくしだけが知る、ホームにて
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ギリギリでなんにもしたくないが勝つ 勝ったものから布団に入る
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太宰府にあるじを想う梅があり 今年も春を忘れずに咲く
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成人せいじんに なって、もなく 卒業し 春から君は 新社会人しんしゃかいじん
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冬空に 満天の星 吐く息は 星の彼方へ 静かに消える
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あなた住む世界に わざわざ招かれて、私は私の存在を知る
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猫柄のトイレットペーパー買いまして 使いきらなくちゃ 無地ペーパー
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ねこ母は わが猫抱くのがしあわせで コロナじゃないなら がっつり抱っこ
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今すぐに 欲しいよ君の鈍感力 些細なことに 気づき傷つき
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サイコパス(自称)のきみらと美術室 いちぬけたって孤独じゃ惨め
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春先が 残酷だとは 聞いてない わたしを置いて 傾ぐオリオン
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こんなにも貴方の色に染められた。傷んで価値が消えた髪の毛。
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勝ち目前アディショナルタイムの一分はうたた寝の一時間より長し
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君のそのふざける癖をやめないと薬指ごと噛み千切るから。
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炭酸の泡みたいには上がれない。貴方の腕にしがみついても。
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青白く光る窓辺に朝灯る 内の夜では夢の影浮く
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一年じゅう秋だったなら洋梨がオールシーズン食べられるのに
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春と冬反復横跳びくりかえし こころを気遣いドーナツを買う
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ある程度感情の機微には鈍くありたい そっちの方が気楽。
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立つ春に 届けとばかりウグイスが 声張るほどに暦疑う  
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淋しいも悲しいももう思い出せないってそんな顔で笑うの
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カルディでコーヒーもらう気満々の 母、肩すかし 店員さん不在(あるある)
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その名前は「勝利」に由来するといいその切り札を引いた世界は
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スキップするみたいに歩いたきみの生まれる春を過ぎて
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鈍色の空 「雨に流されて桜がきえちゃう!」 散るのが好きなくせに何をいまさら
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花粉症 洗面台で鼻映す 誰やこのチベットスナギツネ
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駆け抜ける 音とリズム 降り注ぐ 歌声のギフト 受け取った、よ
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