この家を事故物件にはしたくない 何故か透明 晴れている空
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背を撫でるたびに小さな馬になる あなたは友で綺麗な石で
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春雪や 桜咲く声 震わせて 粛々と打つ 虫籠る地に
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夜も更けて、まだ見ぬ明日を恐れつつ、泣いてる過去を寝かしつけてる
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はらっぱに太鼓が響く現象を 祭 と呼んで夜とたたかう
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あの人を倒してくれてありがとう残念ながら警察が来ます
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人ごみでなぜか聞こえたきみの声それが最後のさよならでした
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踏切の 警報が鳴り 落日は  ペンで刺す前の 風船に見えて
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君のことばかり思うは眠れず 言葉ばかりで戯れている
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物言わぬ亡霊を待たせて あゝブランコ軋めや夜明け前
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帳じりをあわせんとする冬なのか真昼間いっきにぼたん雪ふる
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夕飯はケロッグコーンフロスティ私は夜に子供に戻る
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「かわいい」と思った君と入籍し家族になった結婚記念日
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子どもらは遊んで食べて風呂入り布団で寝てる結婚記念日
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食卓で冷たいお茶を飲み交わすいつもの夜の結婚記念日
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一年を振り返ってまた一年契約更改 結婚記念日
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義母からのLINEが届き感謝する今年も迎えた結婚記念日
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あおさ汁を吸いつつ廻る寿司を食む十四回目の結婚記念日
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また一つ冬を超えたねたなごころ皺に塗り込むハンドクリーム
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あの店であなたと食べたポテサラに近い味付け 今日できたのよ
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目的は勉強だけのはずだよね 妄想止まらずパックで冷やす
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ねこ母は ちょっと痩せたんだけどもな!(笑)まあ年イチだし野暮は言わんとこ
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ホワイトデー 買ってきたシュークリームシュー半分こ 6個のうちの4個くれるけど
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捧げます我が身すべてを君のため逆らうなんて、あゝおそロシア
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女神とはほど遠い妻のいびき聞き我はしもべと悟る夜更け
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心毎一つも言えない今日もまたパラボラアンテナに陽が落ちて
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干しシシャモ尾から腹へと食べてゆき 頭を捨てるなんと残酷(私の食べ方)
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手を繋ぎ三月九日公演のコンサートへ行く結婚記念日
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酔いどれて万年筆を辷らせば へマムシ入道鼻で嗤いて
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ビールだと花粉症には良くないし今しばらくは焼酎をのむ
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