今さらと 思わずドアに 手を掛ける 未知の世界も カギは開いてる
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ほしづきの中にあなたを游がして夢さえ見ずあす、会うためのうた
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人、ものが 多すぎている 知りたいし 知りたくないし ただ寝てたいし
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桜餅 春の残り香 指先に かすかな塩気も 愛おしくなる
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卒業日ピースサインのまんなかに剃刀はさんだ笑顔でバイバイ
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数ミリの隙間だらけのひとなので揺れにはつよい だけど、それだけ
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にわか雨フードかぶせて小走りでかぶせては脱げかぶせては脱げ
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交差して 別れて進むキミの路 見えないけれど 振り向き思ふ
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友帰りポテトチップス食べようとパーティー開きしかけた両手
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小さくても 作り出すその 0→1ゼロイチが 邪魔な理想に 近づくようで
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何がイヤ わかんないけど なんかイヤ 満たされないその 感覚だけが
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瓶底に虹を見つけた銀色のシンクに溜まる休日の夜
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これはねこ わたしの好きな黒白のせかいにいっぴきだけのねこです
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午後六時あともうすこしで七時になるから 晩御飯のあとまた電話して
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言うならば野獣のように噛み付けば赤く滴るブラッドオレンジ
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気がつけば 短歌口調でぶつぶつと おもしろ可笑し 春待ちの午後
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パン屋袋 隠して見つけてかじられて ねことの飽くなき攻防なりけり
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春分の猛吹雪にちょっとだけ心浮き立つ道産子夫婦
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鉄柵で囲まれている世界を見て ヒトは哀れだとキリンは思う
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お茶サワー 美味しいけれど 何に合う? 回鍋肉にはビールがいいな
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グリーンティー イメージしてたお茶サワー 甘味はなかった 伊右衛門の味
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「あ」と「うん」の呼吸するさえもどかしく「生姜焼き」にて献立一致
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雨あがり すべて太陽の鏡となりて恋も涙もひとしく照らす
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雨上がりの落ちてきそうに重い雲が風に裂かれて夕焼けが浮かぶ
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タイムライン最新ポストは二日前 こんなことすら続かないのか
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ポンコツを騙しだましし使うのが案外楽しいいわけじゃなく
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中学のころから師とし仰いでたさいおんさんの濡れ睫毛想う
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「どこにても眠れることが長所です」ユーモアつつみ愛子さま光る / ご卒業の日に
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すりりんご。体温計と冷えピタと幼き息子の甘い記憶と
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道の駅 思わず手に取るミモザの黄 母の笑顔を思い出すよな
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