おいしいね、でも淋しいね、って言いながら珈琲の渦に涙を放る
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ごちそうのあとも微熱ののこる穴 珈琲で満たしやっと「私」だ
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換気扇回して蚊取線香を 焚いて祈るよ去れよ悪霊/か、野生動物か
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依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
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屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
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美味しいか 聞き返すのは しあわせの おかわりなのよ 不安じゃないの
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たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
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半袖の白い制服目にした日五月下旬は夜風さやけき
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太陽が 双子にうつり ツインクル 牡牛座さられ ちょっとさびしい
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空仰ぐ 若手社員の いい笑顔 幸多かれと スマホに納め
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寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
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角にあった焼き肉やさんがなくなって慣れてしまった街の人たち
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雨だれでゆれる草の葉庭茂み野生動物か?など疑い
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猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
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母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
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甘へ盛りは歳重ねども変はらぬ 撫でのおかわり求めをる猫
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ごく僅か残った愛もつぎこぼし空の水差し円卓ポツン
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はつらつでシルバーヘアの阿部さんが庭先並べるトマトの苗です
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酔いどれの 爺さん拾えば 元陸士 駅にて別れ 敬礼される (新宿にて)
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小雨降り緑の香りが濃くなってまだ大丈夫とそれだけ思う
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スマホにはもう触らないでおこうねって自分と決めて横たわる床
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息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
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「問題なし」きいて戻ってきた部屋で水に溶けてく午後のわたしは
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軍産の利権蠢くこの地球足らずて他所の月まで汚す
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潮船の並ぶ泊りに老いの波けもの寄れども若人寄らじ
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ボディブロー肋骨砕き臓抉る格闘技とはそういうものだ
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うたかたに投稿までが迷い道次の日読みてまた仕舞い込み
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さよならを正しく言えたことがない後ろ姿に瞼焼かれる
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あんぬいアンニュイな はずのあめのひ ねこげんき ぷろれすするよ どたばたじたばた
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痛いわと髭剃り跡を撫でる手が不思議な事に微笑んでいた
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