卒業式終えて静まる校庭の片隅ひそりと早咲きの桜
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あぜ道を 彷徨う猫に 手立てなく 闇に消えゆく 厳寒の冬
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四月から高校生になる子らの 華やぐおしゃべり昼間の公園
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立ち寄ったフリマで購入子ども服 誰かのひと夏支えたTシャツ
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明け方に生まれ変われるのは君か僕かどちらかひとりだけだよ
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水際の つがいでついばむ 水鳥を 羨ましく見る 吾は独りで
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おふろイヤ動かぬまなざし握りこぶし五歳直立あくびひとつ
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センバツにメジャーリーグにプロ野球 母は目とテレビ3つずつ欲しい
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日本酒の栓をあけられぬまま二年 世界滅亡のカウントダウン
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豆乳は変なにおいがしなけりゃいける 変なにおいがしたなら捨てろ
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ちま猫は さらさらすべすべ チビ猫は わりともふもふ どちらもよきかな
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おしゃれ着の洗濯ボタンをピッと押し 朝がはじまる 花粉の朝が
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俗にいう「暑さ寒さも彼岸まで」どっち何だという空模様
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雪解けて地上に落ちた追憶の有翼少女は夢から覚める / Kanon
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春詠めど心は冬に未練あり 熱いコーヒー美味し寒さの
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あちこちで 押し出すのは足掻き 決まった錠剤 変えたい生活
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前の子の カバンについた  くまちゃんに 見つめられてる 2時間目
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ひな祭り 女雛真似する 孫娘 お澄まし上手に うれし淋しく
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沈丁花 隣家の庭に ひっそりと 春をかおりで 知るも楽しき
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駄菓子屋の三十円のあたりくじ寝床ひきだし片付けは、また
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暖かくなると見せては寒くなり春は焦らしてこの町にくる
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朝からの強風に意気挫かれて煩悩多き墓参り止む
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幼な子の名残りシーツに染みわたりこの冬いちの豊穣の海
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車検にて代車の暖房効かなくて寒の戻りに頼りなき風
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春分は 人の悲観を 増したるか 電車飛び込み 朝の品川
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不機嫌で人にあたってる現場みて笑いに変える力量求む
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オレンジが 水面を散らして 沈みゆく  燃える太陽 海は抱きしめ
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むかし来た ファストフード店 今もなお  シワしみ増えた 私らもなお
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花ことば「耐える愛」に「卑劣」とは かわいいハナニラ毒あるなんて
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庭に咲く切り花抱え墓参り荒れ吹く風がマッチを吹き消す
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