行く道は 様々なれど 行き先は 低き大海 高き頂き
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自らの 足を止めて 振り向いて 高みを目指せ 風に逆らい
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う蝕有り歯科行き確定のキミが いちご飴咥えて投げ捨てる診察券
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低き方 流れるままに 身を委ね この世を過ごし 天を仰がん
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この世では 水は低きに 集まりて 大海となり 静かに淀む
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小説を 書くのはハードル高いけど これならできそう短めの歌
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今はただあなたに解体されるきゃしゃな 鹽鮭を眺めてる それでいいの
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低き方 流れるままに 行く水を 愚かと思う 人に譬えん
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谷底の 石を拾いて 石垣を 作る職人 無き事もなし
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認めちゃえとうとうデビューしたんだとめちゃつらいでしょ花粉症って
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谷底に 石が溜まった 場所があり 転がる石の 安住の場所
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雛人形 大事に仕舞い また来年 目だけで語る 十五人なり
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坂道を 転がる石は 自分では 止まることなど できない定め
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青空の下を電線頭上より西へと走る気持ち良さげに
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燃やすゴミ 家族いぬのいた分 かさの減る 胸つぶれんを 耐える月曜
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焦りつつ速く動けと思い出す島村ジョーサイボーグ009東八郎8マン
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速くやる時間までには終らせる急いで済ませ時計追い越す
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阿炎の手がお約束のよに伸びてゆき 新横綱はなすすべもなく(想定してなかったの?)
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九十路ここのそじ爺のこぼすや老老の介護の難きもリハビリに凪ぐ
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山の辺にひばりの声に上向かば春らし色の柔らか空あり
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言の葉を 巧みに操る詠み人は 魔法の引出し幾つも有りて 
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雨樋の雪解け水のさらさらに万葉びとをしのびをるなり
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残雪に 春麗らかな 風光る 客人まろうど達の 心も弛む
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歯を磨こうと思ってもう六時間
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メッセージカードに綴る一言が 精一杯の短い手紙
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この家を事故物件にはしたくない 何故か透明 晴れている空
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背を撫でるたびに小さな馬になる あなたは友で綺麗な石で
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春雪や 桜咲く声 震わせて 粛々と打つ 虫籠る地に
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夜も更けて、まだ見ぬ明日を恐れつつ、泣いてる過去を寝かしつけてる
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はらっぱに太鼓が響く現象を 祭 と呼んで夜とたたかう
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