本能のままの夢を見る 地球最後と謳われた日の夜に 
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口紅を盗んだ。きみがまた夜に会いに来るのをまっているから。
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癖のある直筆すらも愛でていくそう生きるって決めた七夕
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陽焼けした背中の皮がほころびて 蝉の羽化する痛みを思ふ
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南無阿弥陀 南無阿弥陀仏唱えても 内なる怒りは 消えること失く
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真夜中にふと目が覚めて考える地震か何かが来るんじゃないかと
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チャンプルーを 作りて今夜 人生も チャンプルーみたい 期待はしない
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ひと月で一番つらい日が今日で来世は男に生まれたいかも
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バス待ちの花屋に可憐なさき薔薇 黄色選びて元気を貰ふ
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雨が降るだろうかまさか今になり梅雨だったって癖っ毛はねる
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わたしたち、雲に似ていた。「さよなら」で 直ぐ消える瑕疵きず 撫でて忘れて、
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PCのグレイスケール三日目はモノクロームに想いの揺れて
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七夕に世界の平和祈願して、夜空見上げて全世界楽し!
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暑いから なんにもしない 言い訳は これで十分 やる気もダルい
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向かい家の 白紫陽花が 緑帯みどりおび 文月なれど 真夏たらんや
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疲れたなねるかあしたはなにしよう酔って笑ってゆくりかであれ
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自家製と手渡されたプチトマト おまけに青虫 君はだれ
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水面を目掛けて降りてきた蜻蛉とんぼ 人の居ぬ間の露天の黒湯
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押し出したうすもも色のロキソニン薬の殻の軽きさみしさ
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キャベツ炒め 腕時計さんと にらめっこ アン・シャーリーを待つ午後6時( 6時25分から)📺
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潮風の薫る松道歩き行く波面なみも光るも音は吸はれて
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滅ぶ日に 食欲なんて ないわよと 残すトースト ラップする母
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収穫の夫の畑がそのままに移り来たよな当夜の食卓
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午前中ほんの一瞬雨が降りじゃあ仕方ない散歩お休み
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目の前の料理は何か尋ねると食べりゃわかると言われ後悔
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甘夏にかぶりつきたる 芳香よ 手はベタベタになるんだけどね
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人の言う世界の終わりを我々は光とともに笑って生きる
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咲き初むるオオウバユリの群生の沢沿い行けばウグイスの鳴く
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肩並べハスカップ摘む姉の庭とりどりの蝶おとなう木陰
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七月が こんな調子じゃ 8月は 記録破りの 真夏に期待
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