焼き秋刀魚骨まで食べる君だから私の言葉とげも刺さらないのね
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おおらかに生きたいと言う 執拗に秋刀魚の小骨除けつつ君は
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手をとれば 君のまなざし 赤くなり コレマジヤバい こころならずも
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春秋の温度差辛き症状は 寒暖差疲労と呼ぶらしい /一日の気温変動が7度以上だと起こりやすいとか
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神無月エアコン点けた暑くって しかし夜には長袖を着る
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やがて2時。降る陽光の眩しさは 冷/醒めない夏の夢かうつつ
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心地良い 風が窓から 入る朝 紫式部 実る庭先
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ひとよりもおおきくうでをふっているかなしいときでもそれは変わらぬ
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学び舎の庭に這い出たナントカたけ食べれるらしいよと健太君
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21グラムしかないはずなのに 無いだけで、こんなにも軽くて
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東京都港区虎ノ門に辺境の知がある訳なかろうに
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入院したベッドの上で「わたし総チェック柄だよ」と笑う君
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離れてて 一つになれない アルビレオ
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『夏日』とふ25度の肌寒さ この秋初の長袖を着る
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謝罪せし駅アナウンス響く朝 人身事故ではなく安堵す
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剃らないと会ってくれない人がいた 風呂場の床に落ちる陰毛
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声優と声優がまた結婚す 私はエッチな音声を聴く
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アイドルの話する前「アイドルの話していい?」って訊く友 いいよ
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A、B、C、D、E、F、G  ああIのため、浪費した時間のすべて
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小雨降る中を急ぎて ただいまと わがら すやすや ゆめのなか夢の中なり
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ご近所の金木犀モクセイ いまだ蕾なく 我の手首に 仄かに香る(舞妓さんの練り香水)
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いつならむ地獄の門が開くのは上野に子走る錦秋の陽
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世に並ぶ全てが短歌に見えてしまってそんなに何も綺麗じゃないのに
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都民の日吾を産みたもう母に感謝平塚の地に母はもう去ぬ
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不機嫌の鎮痛剤にはロキソニン? いいえわたしはべっこう飴で
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山越へてあらたに見ゆる道程に言葉消へにし茨こそあれ
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生え換わりまっしろ白のお腹の毛両手差し入れもふもふの福/三毛
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これからの五十年も話そうか 金婚祝うふたりの復路
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遠き日に見覚えの有るスカーフをひとつ使いきり残り数えて/祖母や母の
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生え換わりツヤふわの毛にどっぷりと手を差し入れて日向もふもふ/アメショー
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