昨日買ったパンツを履いて明日も履くガスの節約清貧言い張る
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不覚にも 眉毛の手入れに 失敗し 明日あしたからは 前髪で隠す
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深呼吸の裏側でキスをしよう
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その服にひとつも罪はないけれどボーダー柄もきらいになった
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後輩に見栄を張るため すっからかんの財布から出すラーメン代
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いつまでも孤独の玉座にしがみつく私を誰も助けはしない。
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君と歌うカラオケルームの205 きっと今なら空も飛べるはず
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不条理の浸透圧に比例して厚さを増してゆく殻がある
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忘れればあなたにとってはいないのと同じだと、あんなに言ったのに
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蛍光灯の上で暖を取っている亀虫がいる もう二週間
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恵方巻きマジでどこにも売ってない 仕方ないからブリトーで妥協
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わかれって われとかれとに わかちつつ(分離) わけて(分類) わかる(理解) / ことばの意味が派生し上に漢字が乗っている
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誕生日たんじょうび その一日いちにち 主役しゅやく 平日へいじつだけど もはや祝日しゅくじつ
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細巻きの友の粕漬け好む夫 鬼のやらいは遠い遠い日
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道端に生えてる小さな雑草に励まされる日がまさか来るとは
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新鮮なうちにフリーズドライして 気持ちも保存すれば良かった
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有意義な隙間時間の使い方色々あるけどぼーっとしたいの
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見舞い人帰りぬ 午後の病室に キーホルダーのチョッパー残し
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見るほどのことは見つ とも 未だなお何も見ず とも思うこの頃
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生き物を飼っているから当然か 家事労働は年中無休
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恵方巻き 半額なのに498 気付けば君まで高嶺の花か
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味のないガムのようなこの恋心それでも今も噛み続けている
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大劇場全ての生き物死んだような暗闇裂いて幕上がる
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へぷしゅってくしゃみをきみがするようになって夕焼けの色がすこし変わった
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二月には一足早く春が来るセレクトショップのワードローブ
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教科書のほとんどにマーカー引くあの子は太宰の顔も塗りつぶしてた
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落花生 投げては拾いまた投げて 吾子はよびこむ わがいえの春
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ちま猫は「ぼーる」ときどき隠してる 気が向いたらば だしてくるのよ(笑)
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恵方巻懐かしくある沈黙は 久方ぶりの黙食の夜
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「あら似合う髪切ったのね」「え、うれしい」男の目には見えぬまきびし
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