もう一度同じ場所に同じ痕 つけてもらうのいつになるのか
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三日月が 道行みちゆきとうの 役目をし 友を天へと 導いてゆく
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夜の海焚火の明かりに千鳥の子 チョロチョロ寄り来て追い掛け回す
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世の中の船出の海は波高し針路定めて風に真向へ
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海釣りに期待を胸に三崎沖終日ひねもすゆられて坊主で帰宅(釣果無し)
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口先の僕に対する君の目は 氷までもが凍える様で
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正解がわからないから人生は面白いのだと勝者は言う
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夕ぐれに点けっぱなしのラジオから野球中継 不意に父の
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何十年前に生まれた僕だけど花より先に散ればよかった
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私とは消えない連続性の過去 パジャマに跳ねたトマトケチャップ
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特急の車窓に流る早苗田さなえだの水面 夕陽にきらめきて居り
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微速度で撮った動画を見るように我が庭のくさ身くねらせて伸び
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けたけど歩道爆進自転車の漕ぐひとの目は虚ろなりけり
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医院から 歩くも困憊 40分 行きのタクシー 1600円
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光射す 紫陽花の葉に 虫食いの 影が作りし レース編み模様  
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やめようと 決意したのは半年後 沼から抜けるのがいかほどに恐ろしいか
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湿る窓 見上げた雨空 縒れたシャツ 生まれ変わっても忘れないでよ
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見つめては ならぬ夕陽になぐ髪に 瞳を逸らすこころ残すも
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石垣にカニの形の窪みあり同じ形のカニを待っている
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みお引いてぐ沼渡る鴨つがい新緑を切りさざなみに消え
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肉体的な[返歌] 問題はなく こころの ストレスにさあ ビール2本を
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苦しいよ再会しなきゃ良かったな ふと想いつつパスタを茹でる
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後輩をご飯に誘うだけなのに 社会人と学生の差が
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迷惑を掛けざれてふは呪ひなり相ひ赦すこそ正しきなるらめ
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話し合ふことははなから考へず惡しき人ぞとその人を誹謗そし
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ヘタれてて ねこのあくびが聞こえると ふっと笑えて肩の力抜く
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汗なのか冷や汗なのかわからない 名残のイチゴで元気でるかな>小粒だけど298
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精神的な問題はなく肉体のストレスにさあビール二本を
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山風は 他に野たにのないとこ ひゅうひゅうと よくよく言えば 営々くよくよ
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友だちの作ったごはんいただいてダチんの味がしておいしい
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