あれこれと試してみては気に入った靴だけなぜかサイズ欠けなり
11
満たされたくない口付けは嘘ばかり言うこの口を閉ざしたいから
5
カナカナと聞こえ始めた午後7時 ちょっと息する今日は猛暑日
16
いつからか雲に名前をつける癖 その時私は少女になった
10
辛いこと悲しいことや理不尽も いつかは消えて跡形もなく
8
梅シロップの氷たっぷりソーダ割り くいっと飲み干しさぁ草取りだ
10
窓からは七割山の我が家にも 三割の空 真夏 連れ来る
10
火をつけし蚊取り線香携えて 夜を探しに森まで散歩
10
夜露から揺蕩う日々は逃避行土煙咲くあの生き仕草
6
あっちいし、ズッキーニとかたまにはさ、カレーに入れてみてもいいじゃん。
9
久しぶり自販機で買うコカ・コーラ釣りはたったの二十円かよ!/マジ驚いて
11
胸中は神と対話し騒擾に出された試食微笑んで受け
4
ふいと出す趣味のグッズを武器として真面目な会議少し反抗
9
えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ と言ったとたん「あんたが作れ」と言われるから黙る
8
えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 大葉と茗荷を散らしてあれば
6
えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 具はカニカマとトビコでいいから
4
読書灯つけたまま寝る虫の字が飛ばないようにページは閉じて
13
雷のゴロゴロ音にワンと吠え 迎え撃つよな頼もしさ見せ
17
清き水澄みし空気につぶやきぬ「嗚呼みちのく…」と旅人のごと
8
目覚めれば東の窓から金の朝 はちみつ色の妖精の道
13
迸る 稲妻を抱く 黒雲は 鏡に映る 僕の姿か
7
昼の2時 ガムを噛んでもまだねむい お茶を飲んでも せんべい食べても
7
喉乾き、自販機探せば炎天下。君に手渡すソオダのかがやき。
9
初恋があなたでよかった、心からあなたを愛せたわたしを好きだ
13
濁らずにただ「さみしい」と言う君のとげを落とした甘えを愛す
7
パイナップルマンゴーのお茶を淹れまして 夏を感じてファミマのマラサダ
8
のびーする ねこの「パー」のて かわいいな まくらにはんぶん おかおをうめて
16
結べない靴紐みたい 心だけ 雨に駆け出す赤いスニーカー
16
忘れられたくないと泣く吾の首をしんねりやさしく締めて黙らす
4
パンジーに隠れおりたり蝶二頭 帰宅の我を飛びて迎えり
11