とりあえず言われたことはやってきた 日本三景天橋立
5
震災の記憶を刻む大柱 あの時波はここまで来たと
5
松島の記念に「奥の細道」の歌と経路のハンカチを買う
3
イ・ムジチの ヴィバルディ聴いて 幼き日 過ごした社宅 思い出してる
6
もしかしてこの国沈没 するのかと 思えるほどに 地震が多く
3
毎年の 健康診断オールA 今年メンタル 医者に行けえー
4
数学に染み付きとれぬ恋の香よ教えてくれた式は忘れた
3
またオムツ忘れて句会へ行く爺ちゃん季違いの木瓜もう咲いてるか
2
同じ日にあちこち地震起こる日の日暮れに聞こえる遠雷の音
5
この若葉うまそうだなとまた今年思い見上げる去年は食わず
3
出せという猫と同じでレンチン後早く取り出せ喚く飽きずに
4
デザートを回転寿司で食べる君 ひと月前は思い及ばぬ
4
さり気ない暮らしの中で育んだ愛の木立は木洩れ日そそぐ
5
寝落ちした子どもをそっと持ち上げるマッスルスーツが欲しくなる夜
5
懸命に 生きてる君はセンチ 俺も見習い1ミリ進む
5
気がつけば時を忘れて君を見るきっとあなたは四次元の人
1
「ここ辞めてどこで通用すると思う」おあいにくさま、引き抜かれたの
7
好きな子と行きたい場所に行き食べたいものを食べる 自由だ、私
4
したいことあればできるだけやらなくちゃそうだよ人生一回きりだよ
2
かわいくおどる子らの幾人がいつか色情魔になるかと憂う
2
言い出せば二度と君とは話せないような気がしてきみにあいたい
3
「踏まないでください」花壇にそんなこと書かなきゃいけないことに驚く
8
安いメロドラマ ずっと八月三十一日を繰り返して
1
水色のガリガリくんの袋むき夏を迎える準備始める
17
今は亡き歌人の詠んだ透明な凪の世界に心あずけて
10
決めていた数値に届くか越えてくか 今でも慣れない請求処理
1
まあなんか、切なくなっても夢なので。寝ても醒めても手に入らない
6
よく晴れた空で乾いたシャツのよにしめっぽくない人になりたい
17
空っぽの水槽のなか空っぽのぼくが揺れてる ぼくじゃないのか・
5
正解が用意されている問題が恋しい解けるわけではないが
5