ツバメ画報
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空き瓶も思い出したい過去がありジャムの色した夕日を詰める
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木を下りて人への一歩を踏む猿が追いかけたかった流星がある
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雪が降る むかし絵本で見た姫がガラスの靴を履く静かさで
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屋上で煙草をくわえもらい火を星からすれば星の味する
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街路樹はいくつもあかりを吊り下げてひそかに星を養殖してる
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冬眠をわたしの胸にあく穴でさせたい迷子の野兎を抱く
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勝ち負けのない帰宅部も上り坂止まらずに漕ぎささやかに勝つ
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飼われてるつもりもなくて水槽の小さな自由を金魚は泳ぐ
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空き缶に教祖のように囲まれた自販機がある夜の路地裏
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チリチリとベルを鳴らして三輪車漕ぐ子供だけ見えている人
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へこんでる心の凹みにすっぽりと収まりそうな野良猫を抱く
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ページ繰る音を葉擦れの音として聴いてる初夏の図書館は森
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振り向いた名前で呼んで餌をやる昨日はヒロシだった野良猫
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人生は重き荷を負う旅と言う人にはキャリーバッグを勧める
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絵が好きなあなたなら絵を乗り越えることのできない壁にも飾る
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食卓に朝を届けてくれるからクロワッサンはさん付けされる
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撒いたあと歳のかずだけ食み豆をわたしのなかの鬼にも投げる
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すこしだけサドルをあげて来年のぼくの視線で走る自転車
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眠りつく象が瞼を閉じるようにバスがライトを消す営業所
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当てのない旅をしたくて乗るバスが循環バスでまた駅に着く
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九個目の誰にも見せたくない顔を八岐大蛇はひそかに隠す
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木がくれたチップとおもい持ち帰るギターケースに落ちたモミジ葉
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星ひとつ引掛けたまま畳まれて屋台のテントが運ばれてゆく
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読書灯つけたまま寝る虫の字が飛ばないようにページは閉じて
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