薄暗い街灯の下君の影 肩に羽織った革ジャンゆれる
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夜回りのパーテーションの己が影何度血の気の止まる思いも
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初夏ですがまだ寒いので出る時はコートの下も服を来てます
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かみさまに恋した罰で触れ合った手も唇も取り上げられる
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四分音符二分休符らを右頬にホクロの悩み恋が指揮とる
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まだ白い月を見上げた 細かった  大丈夫 って つぶやいてみた
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休日の床屋で待ちし退屈に微睡みながらほどける頭
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サンポールとムトーハップの組み合わせ何故かいつまでも頭に残る
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口説かれて 仮面が外れた 恋心 あなたじゃなくて あの人が好き
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てのひらを返したようにパーテーション外さなくてもいいんじゃないか
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あきらめてあきらめなくて揺られてる山手線がしずかに吠える
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溶け落ちた常世の空を飛ぶ鳥の遁走先は遠い夕焼け
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老猫の頭を幾度も撫でながら先に逝くなと言い聞かせおり
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早暁に二匹の猫は東へと至る小道を駆け抜けていく
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ぞりぞりとひげをさすってふと気付く 五月のかびがあごに生えおり
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わたくしがやってる俳句の結社では「腐乱屍体」は夏の季語です
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俗人は象牙の塔に増長しゾロアスターに賊機をかたる
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家族には忘れられたる誕生日竹馬の友二人よりライン
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夏はまだあさくら山の郭公ほととぎす名告りは挙げず忍び音に鳴く
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内輪では 高評価の 夫でも ずっと一緒は 互いに飽きる
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仕事後の 道草タイム 定年後夫との仲 維持に必須なり 
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黄金の 馬車はゆくりと国王を 運びゆくなり 宮殿目指し
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二類から 五類に変わる このやまい 我らまことに 自由を得るか
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節目より様子見ながらぼちぼちがどっちか言うと好みなのだが
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君に打つ LINEがないなどうしよう 会話したいが 知るのもツラい
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当面の間見て保冷を保つ聞くこのごろが来たのだな
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ジュースとの違いわからぬまま重ぬ 恋に恋するような飲酒だ
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雨道で滑らぬように踏ん張って二年目にして初の靴擦れ
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連休やすみ終え 空虚さ残る月曜日 なぞの焦りで予定を埋める
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能登の地震 医学の教授が警鐘鳴らす 「オンライン任せは脆弱かも」と
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