今もなお湧き出す怒りは膿や痰 きみは正しい道にいるんだ
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愛してるからこそすべて愛おしいあなたにわがままを言われたい
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ひいふうみ 指折り数え リズム、文字。 まるでワルツね 踊ってくれるShall we dance
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電車のさ 低いつり革も高いなあ 寄り添ってくれても結局これか
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「あなたは」で物語が進むとき「私ですか」と思う私だ
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夏の海 見るたび愛しいあの子を思い 彼に焦がれて待つ秋の夕
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なにもない からかよけいに考えちゃう あなたのこととか将来みらいのこととか。
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テンションが高い日だよな 恥ずかしい 忙しいほどハッピーな気持ち
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シニア練 したいな、若手 白い目で 見ようが今が 俺の青春
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先輩キャプテンが そんなもんかと 激飛ばす 肺は血の味 〆はこれから
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この月は眠らぬ摩天楼まてんの住民にも優しい光を届けるだろうか
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さあ寝よう布団に向かってダイブするこの時のために私は生きてる
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飲み干してみせるよいつまでも喉に引っかかってるいつかの声を
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ママ見てようすいしくろいクラゲがねつくえにおるんよ。ねえ聞いてママ
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満月に甲羅照らされシオマネキ おいでおいでと満潮を待つ
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涼しさを さみしさと思う 君のため 君の影ごと 抱きしめている。
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午後七時地球が作るカクテルは夜空のベースに沈む夕焼け
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夜呻くテトラポッドの防波堤ゆる音禍々し声に似て
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秋服のカタログつらつら眺めてもイメージ湧かぬエアコンの部屋
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白鷺の如しと聞こゆ姫路城 見上げた雄姿の記憶は胸に
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屋上から見る満月十五夜われひとりじめしているかのよう
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旅行狂たびぐるいだった私はもうおらず 病床とこで見返す写真は無言
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これ教養 あったら一句 詠めたのに その繰り返し 短歌人生
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好きだから許せぬこともあったよね 遠い時代の恋人たちよ /「平安歌人」
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昨日見た 名月めいげつしかり 引き続き 今日もなかなか あき満月まんげつ
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やっぱりね楽しさ倍増アンサンブル フルートの醍醐味仲間と味わう
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十五夜を過ぎて寝仕度する月よ 地球の陰でとくとおやすみ
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月が満ち 人の心も ざわめくか 心静かに 仕事やりたし
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久しぶりエアコンなしで眠れる裏の庭でコオロギ歓び
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秋の蚊よ坊主あたまは刺さないで それやられるとほんと怒るぞ
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