目論見の範疇である仕草にも日夜鏡が練習台
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名前など分かるはずない贈り物君がくれたもの名前はいらない
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道すがら食べたことない食パンの味がした気がしたさようなら
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触覚がないので感じることがない私に恋する数多の人を
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待ち侘びたあの娘の寂しさやってくるけれども僕はまたもや寂しい
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難しく考えすぎる方がいいそうでなければ人生ではない
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酩酊の15時過ぎに春一番向かうところは敵だらけだなと
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ひっそりと僕らは離れていくんだね mentalスケッチ 向日葵咲かない
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12年もののウイスキーで優勝する夏
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この梅雨も相合傘をせぬままに過ぎてしまうと思うと切なく
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押入れの古いCD聴いており初恋したての私と繋がる
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わたしたち鏡じゃないし向けられる全部を全部、返すことない
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努力って実を結ばないその時期に戻る保証を選べなかった
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私だけ知らない君のみだれ髪 汗ばむ首は夏だからじゃない
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持て余す暇があったら貰います結果の果実を差し上げますんで
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アスファルト柄の白線手と足を同時に出して歩くあすなろ
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西側の窓にすだれをかけたのを無慈悲な西日が嘲笑ってる
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ため息をついて揺さぶる夢の跡そんな夜には奇跡がおきる
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ひとときの逢瀬に交わしたぬくもりは背に降り落ちるよろこびの針
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見上げれば 夏の月夜は 変はらぬが 地球の温度 変はりゆくかな
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糸を待ち 空見上げては 何もない この1年を 地獄と言うや
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チビ猫は 夏でもわりと もふもふ毛 あつくないかい?と たまに聞いてみる
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要件は何も無いけどLINEする 底に滴る 糸を求めて
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手弱女たをやめよギャラ呑み代りに全額奢るよ こんなもんだな俺の立ち位置
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過去未来気づけば二つ抱えおり重みつまみに一人酒の現在いま
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「じーちゃん」と呼ばれてひさしき吾なれど自治会若手のペーペーにして/もうすぐ盆踊り
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校庭で見つけたバッタの大きさを 母に熱弁小二男子
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タオル手に歩んで停まりまた一歩 日暮れおうなの背に 母をみる
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おみやげにマックを買ってきてくれて 減ってる気がするポテトとコーラ
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ふと映るショーウィンドウの猫背見てゾッとし慌てて胸張る日の増え
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