雲一つ なかった僕の 片恋は 暗くても 満天の星空
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君のこと 振り返らずに あの夏へ 駆けよう 思い出を踏みしめて
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閏日も ただの一日 味気なし 歳をとりたる 証たるやと
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虹を見た お前なんかに幸せの舵を握らせたりはしないよ
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冬に戻り ねこたちベッドで寄り集まり あべかわもちのように重なる
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スープをひとくちようやく飲み込むと 笑顔が戻る次女のほっぺた
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三人の子供ら全て罹りきり 最後私もインフルエンザ
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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出荷待つ制服たちは聴いている瀬戸内海の優しい潮音
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大谷の結婚!衝撃稲妻級!デコピンは色々知っているよね
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良い妻や良い母と言われるために我慢どれほど散る酸性雨
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煙草も人生と同じ 火を灯した瞬間が一番美しく後は害となっていくだけ
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菓子供え母へ想いを巡らせば詫び抱きしめたい後悔ばかり
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声聴けば 互いの想い 交錯し 一途に流る 砂時計のよう
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のうずいよ躁と鬱とを違いてし うらうらがえし迷子のあたし
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昔から 仕事仕事と 言うけれど 日本国民 真面目すぎない?
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文字通り 死ぬまで仕事 するように 妻が本気で 懇願してる
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1か月 じっと忍耐 悪いこと 怒らぬように 社会に復帰
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マイナンバー 8年前に 割り振られ 使われていた 知らぬが仏
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去年まで 車で走る 通勤路 歩けば今は あり得ぬ遠さ
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儒教では 義に外れれば 情けなし 池に沈めて 二度と浮かばず
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悪ばかり 人の関心 集めれば 足を引っ張る 手ぐすね引いて
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秘密など ただの幻想 恥ずかしい 事実は暴露 今の流行
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通報が 正義と呼ばれ つるし上げ 立ち上がれない 非難の嵐
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次々と 悪が暴かれ この時代 うかうかできぬ 足を掬われ
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桃のお酒 買ってもらって小躍りす いくつか前の春にも飲んだよ(とても美味)
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クリームを塗り込むかかと鏡もち ささくれ目立つ指はサボテン
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今日もまた牛乳の海を泳ぎます まだまだ二歳はこぼしますよね
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夜景に見惚れるカップルは皆幸せに見えた それがやわらかな心中とも知らずに
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春気配 感じる川沿い 散歩道 目鼻に花粉 春を実感
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