俺が書いたんじゃないこの台本は さよならなんて台詞もあるし
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梅雨明けて途端に蝉の大合唱 これこれ夏はこうじゃなくっちゃ
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思い出を取り戻す様にまた想う 誰も得せぬ恋と知りつつ
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病院の採血未熟な技師もいる二回目チクリまたも失敗
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ガンセンター 待合室は静寂しじまなり梅雨明けの空遥かな水色
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ぬいぐるみ 暑いときだと撫でる気も起きないけれどペンギンならば
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「会いたいと言うのはやめん?お互いに」 「 分かった 重荷に なりたくないし」
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「また盆に」中折れ帽子に手をかざし 門の緑に消えゆく背中
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窓開けば蝉の音聞こえるようになり梅雨は去りしか小暑の末
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やってきた夏 やってきた熱 アツい ジットリ過ぎるドロドロの午後
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耳遠く聞こえぬ恐れがあるもので 父に送るよ暑中見舞いしょちゅうハガキを
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懐かしや夏休みやすみに浮かれ子供たち 頭悩ます日々の献立
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倍速で韓流ドラマ見るような時間軸の縮まりし夏
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ねこの寝顔 なんとも平和で愛らしい 寝落ち寸前も また良きもので
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この曲でしか得られない栄養を 再生回数一万は俺
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気持ちよく娘がご飯を食べた日は鼻歌まじりに洗い物する
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「落ち着け」と気軽に言うが それだけでできたら 何の苦労もねえよ
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(嫌われるくらいならいっそ本当の気持ちを)ごめんなんでもないよ
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散りばめた平行四辺形の愛で夕立によるガソリンの街
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黒い目が見つめる先の枯れた街夜は鼠も恐れ慄く
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バランスと吐き出す一過性の斜視で入水した冬信じるほかなく
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誰しもが誰かの神様になりたい私は私の神様がいい
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クマゼミが一斉に鳴き梅雨明けを知らせる朝の空のまぶしさ
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今すぐに読みたい本を読むことを人は自分勝手と呼んだ
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たぶん次 会える時は 夏じゃなく 秋でもなくて 雪が降ってる
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梅雨明けの報せをニュースで知る前に蝉の音聞こえてそうなんだろうと
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暑けれど風は少しく軽くなり梅雨のトンネル出口は近し /近畿はまだ…
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めをそらす ねこは敵意がないことを つたえているよ「親愛」のときも
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梅雨明けの報待ちきれず 熱中症警戒アラート いそいでお出まし
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梅雨明けだ 蝉よ鳴け鳴け一斉に この耳鳴りを打ち消してくれ
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