ぐるぐるとまわる行先表示幕 思わず惹かれる 視線奪われる
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大正の風を感じる喫茶店 生きたことのない時代を味わう
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朝起きて 生地をこねこね 思うのは みんなの笑顔 広がるように
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帰省して五月蝿うるさがられて根を上げてUターンまで三日かからず
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渋滞は神が負わせし試練かと思う親・家族への日頃の不幸
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くつ下の穴の空く場所変わりゆく引きずる右のかかとが笑う
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新しい人に会う度 この人じゃないと感じるだけの毎日
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彼の声耳からずっと離れない 何年経っても気持ちは続く
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人生を今振り返る 恋してる自分が1番好きだったな
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カーテンも防ぎきれない太陽で我がゴミ屋敷は薄く茶色
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Utakataのただそれだけの縁だけど あえると嬉しいただただ嬉しい
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頑張れも いいねもくれる 君だけど 「好き」は嘘でも 言ってくれない
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明日あしたから息子かれは東へわれ西へ ひとり留守番あなたはルンルン
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ツイッターでdisってばかりのあの人がとても優しい歌を詠んでた
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最近の真鯉の家族も少子化で屋根より低く肩身も狭く
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懺悔とかそういう類いのものばっか可愛がっててこの有様だ
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大空で微分積分解くように飛行機雲が交点つくる
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お茶会に遅れそうなの良人おっとには大きな犀のお守りをさせて
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大型のオクシモロンに襲われて音楽祭に音声が消ゆ
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写真見て「わし老けたな」と落ち込む父 そりゃそう息子は立派な二十歳おとな
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君ならば地獄におちてもきっと三秒ルールで生きのびるだろう
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「また逢える」それならも少し生きなきゃな 一歩一歩前向きながら
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わが目には瓶も十字架クロスに見えにけり すべてを暴け In vino veritas.
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右あしの指のさきから遠浅の波音が呼ぶ妄想をする
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無情緒の裏に情緒の蝶々飛ぶ。花は紅 柳は緑
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「ビタミンが足りてないね」と渡されたレモンを湯船に落とす真夜中・
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草津行き 下り特急 中見ると すべて満席 五月連休
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朝の駅 ホームで香る 日焼け止め 五月であるが 夏遠からじ
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荒波に舟は呑まれる明け方の命ひとつを四捨五入して
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HARIBOみたいな髪色が並ぶセブンのカフェラテ在庫は僅少
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