熱高くグズる一歳一日中 おぶってあやす赤子のように
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まっしろに数滴落とす、くろいろを ほとんどミルクと君が笑う
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家事の合間のささやかなる喜びを分かち合えてとても嬉しく /かるだもんさま
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夢に来てりんごジュースが飲みたいと カーネーション添え母に供える 
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キッチンの 食器洗剤入れ替えて ふわり生まれし シャボン玉かな/ 恵雪さまへ
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朝一番ジジババが電話する前に本人から来た「五さいになったよ!」
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お砂糖を控えめにしたカフェオレも 段々慣れた 美味しく感じる
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再戦の狼煙のろしをあげる日くらいは蒼天でとびに舞ってほしい/そろそろ復帰
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早起きし 濃いコーヒーを飲むと 目が覚めた 陽射し背中に 今日も始まる
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うたにおける「きみ」は共感の坩堝 「きみ」に代入できる者無く
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なんだかな 喉に小骨が刺さってる 比喩的意味よ スッキリしない
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あの頃の苦労話をしてみたが自慢ととられ悔しい思い
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唯一の元気出る曲ウルフルズ「ツギハギブギウギ」聴いて動けず
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レギンスとレッグウォーマー離せずに歳を取ったとしみじみ五月
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望まない便りが二通届いてた 自動車税と固定資産税
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しごとあるくせにしゃちくしゃちくってきどんなよこっちはしゃちくにもなれん
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好きなものばかりを買ってるはずなのに どうにも気に入る部屋にならない
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膝下の丈を膝上替えました冬の名残りが全て無くなる
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朝食のホットミルクの湯気ゆらめき お出かけできるか?こころも揺れる
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チビ猫は お日様の匂い ちま猫は ポップコーンの匂いかしらね
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夫との会話は今朝はうわの空 心は旅する息子にありて
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剥がれない クスむベタつく 新品の 計量カップの 説明シール
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我のこし妻子でかける前泊の嗚呼五月晴れディズニーランド
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勤勉な あの子の挨拶 一番乗り 眠い目擦って 苦手な早起き
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どうしてもドッジボールがしたいらしい 21時のソファの上で
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爪のあと残る手の放し方知ったとき別の幸福スルッと手にする
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日陰には 日陰の草が 日なたには 日なたの花が 息をしている
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別れの理由わけは 百まであるの たった一つの 縋る思い出も
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君だけには弱いところをさらけ出している という顔をしている
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入母屋いりもやに被さるほどの大もみじ 谷風に揺れ屋根を掃きおり
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