はしゃぐ声花火大会母と娘は三尺玉を屋根越しに見る
10
彼女でも女でもない別れても母だ娘だ責務の重み
8
眠れずに「愛という名のもとに」聴く霞んだ別れで君に会いたい
8
澄んだ硝子の 我の犬 混濁した 硝子見つめる 一夜のこと
2
手を伸ばし眼鏡を探す要領で手繰り寄せるはスマートフォンや
2
寝る前のノンカフェインをやり直し ねこゴハンのあと コーン茶ひとくち
5
寝つかれず小一時間ほど経過して うとうとした頃 ねこが頭突きを
7
躁だからかくあれかしと暴れては やりすぎるなと止められる日々
3
影と歩む 茜さし照る 夕闇の 旅路に浸る 我の心なり
4
青春の真似事まねごとしたくて湘南の 海に散らした貴方の手紙
6
最近は恋愛リアリティ番組ハマってて 気づいたらもうてっぺん過ぎてた
4
19時はだんだん暮れて薄暗く 近づいてくる秋を感じる
8
憧れの巻き髪 「憧れのままで良い」と 鏡に写る巻き髪
4
波のあいまを縫ってゆくきみという針が遅ければいいなと思う
11
かなしみをずっと大事に抱いているあなたの背を抱く手つきとひとしく
4
花火ってお祭りなんだ北国は終わる頃には涼しくなるよ
8
好きだって いつか消えてくものですか? ずっと痛いよ 君への気持ち
6
母親と世代ギャップで口喧嘩互い譲れぬこだわりがある
6
自転車の空気入れなど買い求め明日は空気が抜けなきゃ良いけど
4
写真きみを見て 隣で笑う俺がいた 幸せそだな ともにいたいね
9
あれこれと 考え過ぎるは もうやめて 私のままで 思うがままに
11
ねこ毛なら 集めてみたき毛玉かな ヒトの毛混じると ゴミ箱にポイ
5
ニャーと鳴き 母のいる部屋で ねこちっち よいおといれがでたよ、と知らせり
2
会合で 後輩たちの 話し聞く 雄々しき姿 我も続かん
3
我が娘 夫の仕事で 悩み抜く 妻と祈らん 力の限り
3
もうずっと壊れたままのラジオから流れる波のゆくさきは月
5
面接に志望理由書小論文しあわせになる才能もない
4
戸で隔つ 父母の癇癪 シャングリ・ラ ライナスは今日も毛布を抱いた
3
幸福と過ちとが手を取り合って身の毛のよだついい夜でした
4
荒れ地にて花を植えたり詩語などつつしみながら丘を下れり
2