義父ちち宛に ちょっと地ビール奮発し 代わりに削る買い物ところを探す
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窓ガラス越しに見る最後の桜よりも早く散った青い春。
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新人のシフトは明日で真っ黒で 翼が生えたと御局は言う
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一輪のたんぽぽの花 そこに咲く 見ないでくれと 言わんばかりに
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ねことねこ 朝からひっつきむしさんで たまに何故だか どつきあってる
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コンビニに行って帰ってエレベータ 誰かとバッタリ 旦那だったわ(笑)
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生き損ねるそばから今は過去になり また次の今を生きればいいだけ
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時知らぬ高嶺の雪を移してや富士の裾野に咲ける卯の花
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放水の訓練励む消防団大会近し毎週お疲れ
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知らぬ間に抜け殻二つ 部屋の隅 落とし主がまだ家のどこかに
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うちのは 文句があらば 知らぬ間に トイレも吐瀉も 実力行使 
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いもは 紫野むらさきのにて香ぐはしき え言ひかかず標野しめのなりせば
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暗い部屋つぶった瞼のその裏に夏のしあわせ感じて寝たい
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逃げ込んだ泣く僕のこと見つめる目 壁をゆっくり這う蜘蛛の君
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じっとりと湿った水面飛ぶトンボ何か言いたげに見る複眼
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やかましい言葉のイメージ逆らって無言の言葉で溺れてく部屋
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言葉で殴ってくれるというのなら骨の痛みがわかる強さで
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朝イチの 水道に手を くぐらせる 清涼感に 夏日の予報
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リコーダーブリンバンバンボンを吹き三年生のこころを掴み
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5月には 梅雨つゆ入りしたり 真夏日まなつびが ニュースで流れ ストーブつける
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下書きでそのままになるメッセージ 送れば君は困るだろうか。
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母とは揃いのバッグでツーショット 嫁ぐ前の最後の旅行
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そういえば君の歩き方知らない 会うのはいつも図書館だから
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手のひらがつくるコップで汲む海にかつてわたしが融けていたのは
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言っとこう 人は他人を見ちゃいない 鏡像の中の自分があるだけ
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長袖も 真夏の真ん中 パーカーも 別にいいんだ 君の色なら
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だからこそありがとうと思ってる這いずりながらもここにいる君
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その腕に何本も残る傷跡は 君が戦い生きてきた証し
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僕たちが壊れる事も覚悟して 君は捲った ブラウスの袖
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冴えないと 君は自分を見てるけど きっと誰かは眩しく見てる
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