どんな日も石碑のように立ち尽くしなにかの罰を巨像は背負う
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空もまた不安定なるときがある竜巻注意情報が鳴る
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気がつけば 推しの年齢 越していて 年上キャラが 年下となる
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永遠に 解決しない 黒幕に 思いを馳せる 土曜夕方は
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衝動に 突き動かされ コロッケを 夜中に作って 食べずに眠る
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二度と恋をしないと宣言した友の 晴れの姿に黄色のばらを
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全ゲーム クリアしたって 100点を とったって良い人生じゃない
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美術展 行ってみたら 販売展 けど知識増えたし楽しめた
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電車内 布団袋持つ ご婦人が どんなお布団なのか気になるね
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意を決し エージェントへと メールする 待つだけじゃ駄目 攻めの姿勢よ
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ウェンディーズ ご無沙汰すぎて 無人レジに戸惑った でも美味しかった
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むらさきも はるみちゃんでも 西行も ぶつもんあるから クロでも 平気
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話題書の角ゴシックの太さだけ僕らの自我エゴが張り裂けてゆく
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ああしんど 土曜の激務を 無事終えて 今宵はチャチャッと 焼きそばビール
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相性の欄に載らない恋をして貴女のためにひろげた雑誌
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なつかげり 底が見てる ハッカすい 詠んだ猫さん うたかたいっしょ
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ひによって あるくほうこう 逆のひと 反時計かな 八の字ループか
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チビ猫がセンサーの前に座り込み テレビつかない 番組始まるー
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座談会 発想新たに 盛り上がる 若き女性の 威吹溢れる
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女優観る 八十前に 挑戦す 若き自分を 超える気迫よ
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我が妻の 厳しき指摘 腹を立て 叫ぶ事の 清々しさよ
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駆けてゆく白雲眺めてるあいだ、戦争一つ終わるといいな
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線香が灰になる頃気がついた白くなってる爺ちゃんの目に
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秋風の吹いても痛いふるさとの十六余年を祖父は臥したり
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通るたび北海道犬「ギャンギャン」と吠えなくなってその角寂し
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日めくりを自らめくりこの夏にお別れ告げる紅いアサガオ
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魚しかしらない青を立ち上げて水平線から目ざめる残夏
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暑いのは八月が全て思い出になりたいからって頑張ってるの
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人肌に焼け付く日差しを覆う雲束の間の雨熱さ流さず
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人徳も知識も金のためと言う社会にため息吐く椅子の上
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