なまくらな 包丁を研ぎ 我が頭も 鋭くなる術 無いものかと
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年毎としごと170cmひゃくななじゅうから縮んでく老いを上書き健康診断
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空の青に短歌が生まれる予感あり妻とでかける健診の朝
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まだ残暑 氷ダカラを支度して ため息混じりに 涼しい服着る
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おひるゴハン も少し欲しいねこたちが 揃って待ってる つぎはお3時
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ふとんしかない部屋だからわたくしと壁と枕と川の字で寝る
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生ごみとともに捨てたる竹串の昨夕の怒り貫きて出づ
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グリ下に集うキッズを眺めつつ戎橋行く外つ国のひと
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食べて寝て起きた時まだ走ってたマラソン選手に謝りたくなる
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蝉時雨 未だ降りしく大原に 秋待ちて在る寂光院かな
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我ながらガラスに映る風体があいも変わらずかっこ悪いな
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開け立ての目薬捨ててからしまい取り戻しに行くゴミ出しの朝
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撫でようと近付いたらば もうすでに ゴロゴロいってた 愛しき猫らよ
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夏にしか食べない雪見だいふくを分けあう夏の青春たちよ
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秋の味覚 スコーンにできるは 栗だけか おイモはやっぱりスイートポテトで
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現代が まだ氷河期という事実 信じられぬが それが真実
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窓が開きゴーヤー白茄子届けられ田舎で暮らす塀のない家
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クワガタの食事覗くとオスは逃げメスはドシンと微動だにせず
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ベランダのセミファイナルと夕雲に 季節の代わり感じる日かな
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秋の野になまめき立てる女郎花いつと契りて誰を待つらむ
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元気でな 仄白き灰 話しかけ 煙見上げる夏 空には入道雲
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河原で本なんて読んでるけど さっきから風しかページをめくってないよ
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LCC 死んでも乗らぬと誓ったが、3対1じゃ、俺の負けだな
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ついうっかりペパロニのピザに目を惹かれ ミネソタ州にタイムスリップする
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枕いらぬ熱帯夜 だって冷たいところもう無いんだもん
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中二でヤンキーに惚れて以来 ハーゲンダッツは結局抹茶だ
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ヤクルト1000を飲んで寝る 阿部寛にヘッドロックされる夢を見る
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蝉 静か 低く差し込む 柔らかな朝陽あさひ 秋はもうすぐそこまで
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もう終わってくれよ夏。横顔にずきりと見惚れた余韻が痛い
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うっすらと明けゆく空を眺むれば 今日こそ我は用事で出らるる
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