ひんやりとあぁ夏が行く都心から来た友達へ僅かなはなむけ
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除湿冷房 ひょっとしたらと切り替えて 喉の痛みの 主な原因知る
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我と犬床に転がり昼寝せる互ひに酒や骨など夢見
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躊躇わず殺す時には殺さねばやがて自分が殺されるもの
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驚愕の事実とはこれ鉄棒にぶら下がりしが懸垂出来ず
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空に浮かぶ雲が チャップリンの帽子に見えて 犬と一緒に見上げる
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頭が痛い台風が近づいたのか窓の外は 暗くて風が吹く
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テレビの中の笑顔白金豚ジャーキーを買えと言ってる おつまみに
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起こるかもしれないことで怒ってる起こるかどうかは分からないのに
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ムシのネが 宇宙の果てまで 木霊こだまして 心に写す 銀河の流れ
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変顔や欠伸をしても許される密室が口の周りにだけは
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いちど見たストーリーを開く 音のない花火がまた消えていった
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私よりあの子を好きなの知ってるから。もう正直に、全部話して。
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元カノさ、もう忘れなよ。悔しいの。思い出話、もう話さないで。
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また明日、何回聞いてもいい言葉。 明日も必ず聞かせてくれよ
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夏雲のような埃を食べたまま掃除機だけはあの日のままで
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母と娘がふたり暮らしで喧嘩して成立しない判決もある
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そんなこと言ってもいいのわたくしにあんたの棺桶チープにしてやる
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ヒールで転ぶのは右足の小指から 元の背丈に戻ろうとして
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触れられてやっと気付いた境目は 放っておかれてすぐにぼやけた
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ぴるぴるとトマトの皮を剥いていく個を保ってるギリギリの肌
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布切れに 命託して人々は 今日も押し合い戦地へ向かう
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ふるさとの港の虹が 客船の 船出を祝う 豪華な共演
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ピアノ弾く君の大きな手と指に、全てを込めて「蜘蛛みたい」とだけ
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指で以て詩を確かめる未明にてレモンピールを浮かべたそらよ
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かぜとおしのよいあたまになりました(わすれないでね)(わすれたく な い)
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ねこおもちゃ 1個がときどき見当たらない 探してしまうよ 夢の中まで
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love song 歌うあなたの横にいて  思う相手が 誰か聞けずに
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猫レベルのビルの隙間の所から笹色の風さし招く朝
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我が息子 逞しき姿 有り難き 皆に感謝の 思い溢れる
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