「パンよりもちょっと硬めの米派らしい!」 私は知ってる、両思いだよ。
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五月だぞ三十度とかふざけてる気温管理の責任者出せ
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みちに風 うつぎ散り果つ春の雪 誘はれの蝶 舞ひ踊り消ゆ
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話しさえ急に聞こえぬ母なれば 耳の近くの大声悲し
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有終の 別れも無しに 涼風すずかぜの 吹く頃君は 何処どこかへ消えた
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数センチ風呂の窓開け夜を呼ぶ 涼風顔に受ける幸せ
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何もかも忘れて乗り込む夜行バスにも着いてくる残した仕事
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地獄耳自慢していた母なれど 聞こえぬことも良いことありと
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母ついに九十六になった日は 風はいつもと変わらず吹いた
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ハンドルを握りどんどん離れてく 遠のく家は私縛れぬ
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君の目をいつも見つめて逸らされて言葉にするのはいつになるやら
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リアリスト 気取っているけど 本当は いつか会いたい 運命の人
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発売が 待ち遠しかった ぬいぐるみ やっと見つけた 今日から友達
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案山子かかし』聴き「父の日」耳にする月夜 河の向こうにさがす おもかげ
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ガラケからスマホに替えたメモリには 笑った君がほとんどいない。
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一曲の名前も知らぬボーカルの 声に恋した五月のドライブ
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さればこそ 春過ぎたるを忘るらむ 今しも鳴けり老鶯おいのうぐひす
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初なつの 化粧けさうずるくれなゐの 咲きにほふては紅花榮べにばなさかゆ
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社会みんなには無駄にしか見えないことにこだわっている生かされている
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インドカレー 大きなナンがはみ出てる ちょうど海の比率みたいに
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夕暮れが近づき風が冷めてきてまだ春なんだと思い知らされ
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意地がぶつかり合ってシーソーゲームいい試合だったと勝ったら言える
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鈍行で君と惰眠を謳歌する 明日あすの始発でまた待ち合わせ
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夏らしい帽子を母にプレゼント 今年いちばん笑顔が見えた
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夕飯を作った指にも痕跡が 残って漂うヒント:タマネギ
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玉子焼きその一切れの出汁香る 丁寧に生きる貴女を知る
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後朝きぬぎぬにのこされたのは溶け合った色合いを抱くふたつのうつわ
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いろはすと同じ温度の微温湯と沈みあう あなたのことはそれほど
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これやってこんなに痩せる立て看板いかがですかと聞きづらそうな
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半袖にオーバーオールのお出かけも夕暮れ風は肌に冷たい
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