何時だって黄金のエールぷは~して 呑兵衛のんべんだらりよ千代に八千代に
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吾の世界さらいて揺らすは蝶のようなあなたの瞬き睫毛の震え
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蜃気楼織りなす午後の微睡みはカラスアゲハの翅の煌めき
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本棚の中の一番奥の本まるで見たくもない想い出のよう
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憂鬱がぎゅうぎゅう詰めの月曜日 まだ聞こえない天使の喇叭
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手にはなほぬくもりのこる別れぎは袖をふりつつとほざかりゆく
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とらえたと思う我が手をすり抜けてなおきらきらと君は輝く
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指先でシーツのしわをもてあそびふるさとの形つくりては消す
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酒だから飲んだらなくなっちゃうのかな 酒じゃなくてもなくなっちゃうかな
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ソロモンの栄華にまさる野のゆりのよそほひをせよ我がたましひよ
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ブランコの影を結んでしだの葉が成長できずにひょこりと生える
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真夏日の都会にいたら頑張れと言えないかもね 暑すぎるから
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新緑のシャワーを浴びて東福寺 木々のかおりに翡翠かわせみの声
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カーテンをしめてだきあふまひるまのあやめもわかぬわたつみの底
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北溟の鯤てふ大魚わが家に飼はんとしたるゆめみてめざむ
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ひもじさに死せる獣の腹中に生ける那由多なゆたの蟲の不可思議ふかしぎ
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全身にスパンコールをつけたまま燃えるミス・リカ・ドールのえくぼ
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君は無事か まだ生きてるか 横たわる片方だけの靴に問いかける
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こんなにもみどりまぶしい五月の日ネクタイえらぶ弔問のため
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前歩く見知らぬ老婆のスピードで流れる歩道に夏きたるを知る
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シトラスをまとううなじは厳かにSEA BREEZEの加護受けし娘よ
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アラームが鳴り始めてから十分二十分三十分 まだ起きてこない いってきます
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君と僕だけしかいない会場でロミオとジュリエットを演じたい
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心が風邪をひいた モヤモヤを伝えた今日は ココロの休養日
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ふきとう ゆきしたからかおだして いかけてくる ねえ、はるはまだ?
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ネイルり かわ寝入ねいるとは またなおし いと口惜くちおしい
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けてソファにそべり受話器じゅわきし ひくやさしいこえ微睡まどろ
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電車賃本より軽い紙幣でも 本では乗れず電車去りゆく
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ほほのなみだぬぐつてかるくキスをしてしやくりあげる子ねむらせる夜
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意味もなく 不安になった ここのつの 記憶を今でも ひきずっている
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