本当ならもっとかろくやわらかく歩いていたんだろうね、あなた
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ここからは幕は閉じたり観る人も観られる人もそれぞれに行く
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明けていく昨日を葬り薄赤い彼は誰時かわたれどきをあなたと望む
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行く先は違うけれどまた交われる気がする 山手線の内回り・外回りで
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まよなかに あいすぬんで 冷凍庫 すきまできてて みんな解凍
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『何色が強く見える?』って占い広告みたいに手首の赤、てらてらと
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猛暑なり 七十八年前も 三十八度 十日間続く 高女等の死よ
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積ん読はいつか駆られたその時のために積むから、信じていいよ
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まだ知らぬ書架へ届くか第一歩 わが眼差しの曇りを認む
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水道からお湯がでてるよ大変だ ガスつけてないのに異常気象め
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人生でいちばんしあわせだった頃に読んだ本が燃やす学校
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週末のご褒美 本物ビール買う ひと缶だけの プチプチ贅沢
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溜め込んだ カッターシャツの アイロンがけ こまめにやれよと 毎週反省
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通学路 夏の魔法を夢見てた 氷魔法を今は夢見る
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オンデマンドで出版できる時代です叶わぬ夢が叶う時代です
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ひとまずはゴハンはもらってはいるらしい ねこ母の予定悩ましきかな
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我が友は 携帯無くし 不通にて 部屋のリモコン 取り違えしか
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ふと気付く あの頃探し求めたのは 火照る心を冷ます言葉だ
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明け方の空き缶ひとり転がって文明開化の音を奏でる
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「お日さま」と春には気安く呼んでたが焼き殺されてる八月の午後
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夏来れば 名前に涼を求むよに 冬瓜とうがん炊いて 枝豆添える
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捨てれどもすぐまた物増え 生きるとはこういうことよと開き直りぬ
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目的地定まらなくて遠回り この道だけに咲く花をみる
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舞台より彼が現れ出たようで自販機の前の演劇部員
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さよならとまたねのちがいもわからないあなたはとてもいじわるなひと
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この酷暑に半日連絡とれなくて 旦那とわが猫はどうしているのか
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生け垣の 雨後の紫陽花 水しぶき 道行く人を しずくに写し
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かけるなら甲子園夏屋根かけて大阪に有るとああ勘違い
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引きこもり 無理もないかな この酷暑 されど買い物 行かねばならぬ
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夏祭り 太鼓響きし 車道くるまみち 引き連れていく 山車と子供よ
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