飲み込んだ言えぬ想いが身を焦がす地獄のような恋をしたのだ
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育てても虫が食べちゃうスイートバジル やっぱりうちのは美味しいのかな
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‪うつすらとひたひにあせのにじむ子の髪かきやれば夏野のにほひ‬
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海と空まぜこぜにして境目を失い溶けるネモフィラの里
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もうきっと遠くの星の人なんだ 指が触れても 言葉交わせど
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あのひとに夢でいいから逢いたくてパジャマを裏に返して眠る
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誰よりもきみを幸せにできるのはきっとぼくではないね それでも
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「荷物なら持つよ」と出した左手をほんとはきみと繋ぎたかった
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たましひのわびしげなればたましひをかいてんもくばにのせて見てゐし
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サワサワと海のうねりに似た畑キラキラと反射す太陽の光
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珍しくエナジードリンク飲む君は押し間違えたと空笑いして
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いざ君が振り向かないと解るからはろーはろーと声が枯れても
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春過ぎて君のせいより夏のせい飲みこむ唾と手に滲む汗
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あの人の隣にいたい横顔を眺めるだけでまた日が暮れる
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ぽたぽたと雫の落ちる栓を止め僕の気持ちもこうできたらなぁ
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レクイエム果ててもどりしうつせみのかぜはみどりに雨をはらみぬ
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指の皮何度むけても同じ紋少しまともになれやしないか
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君のため巡り巡って僕のため優しさという殻を売っては
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吹けば飛び散るような花私にはそれが貴方の覚悟に見える
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てっぺんの赤にフォークを突き刺して揺れるあなたを崩して舐める
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鏡中を覗くたび吐くため息で、曇らせはせど白い歯は無く
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こんなにちいさなドレスを縫ってもいったいどなたが着てくれますか
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おのおのがしろく小さき十字架を負ひつつ咲けりどくだみの花
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ていねいに伸ばした爪に色をぬる夏の準備に早起きをする
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長いね〜カッコいいね〜 でも邪魔じゃ! 真ん中まで飛び出たその足!
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どこででも焚き火の匂い嗅ぎ分ける我の鼻の中時空遡る
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その指が 私の喉をさする時 天使を見たと 感じる瞼
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*老いてなを 白髪頭に 赤シャツを 気取りて着るは 吾一人のみ *本当に効いているのかいないのか七種の薬日々飲んでいる
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あまりにも綺麗な殺戮だったから 次の人生キミを恋いたい
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海に行こ。一緒に死んで。同義だと僕は知ってて帽子を被る
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