手が届く そう気づいたら 再設定 願いはつねに 蜃気楼の先
3
夏空はいつもラムネの色をしてわたしの目にはひかりが映る
3
永遠にやりなおせない青春の傷はいまでも血を流してる
4
こないだまでぴったりだったスニーカー 捨てられぬままのナイキを抱いた
3
空に降る雪が梅から桜へと移り変わった先のひととせ
5
低気圧 鉄扉の如きまぶたがもう持ち上げられずおやすみなさい
3
無人島に持ってゆくならヘリだけど地獄につれてゆくなら君だ
3
君の心についた古傷抉り その中で息絶えたい欲望
3
伸び伸びと手入れされない梅の樹は 新芽を伸ばす空へ空へと
11
読書灯、ゆっくり活字を追っていく、滑った、今日の日はさようなら
4
下ろしたてデニムの硬さ心地良く下肢包み込むインディゴブルー
4
今日会ったあの子が春を連れてきた「あたしほぼほぼ二年生!!」
7
戻るなら半世紀前でもそれは未来の今が変わるだろうか
12
集まってごはんを食べて帰宅する 50分にも満たない夢だ
5
学生の ときに聴いてた 音楽を 聴いた瞬間 タイムスリップ
5
父さんの遺品の日記覗いてごめん 達筆すぎて読めずに苦笑
18
まだやれる。大丈夫だよ。泣かないよ。  そこで待ってて、笑っていてね
7
手ずからの化粧水など賜りてオンナを上げての再開約す
11
五つ目の質問答えて気づくバカそんなことさえ知らずにいたの
3
春一番 東北では言わないんだって 一年中 春のような君に教わる 
11
椿匂ふ路上に吾は君思ふうつくしきかなそらの青色
5
あのひとの両目を覆う手のひらがこんなに大きくなっていました
4
さよならを言えないようにくちづけをその唇に上書きさせて
8
花冷えというには花が足りなくて冬の中にて思い出す、ふゆ
7
あと一年学生のうちにできること 映画も旅行も全部やるぞ
3
五億年前海だったゆえにまだ音も匂いもしない教室
7
身の垢をすすぐ思ひや水清き川辺に咲きぬ菜の花の色
6
まえあしをいつも布団から出すきみがまんまるになる気温は五度
7
野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
15
時間との 戦い疲れ 深呼吸 耳を澄ませば 心臓の音
13