白鍵だけ翔んであるいてゆくような横断歩道笑うランドセル
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酒は飲め飲め飲むならば 自力で立って歩いて終電までに
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「2か月で、何か変わったことはある?」 「使った皿は水につけてる」
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新緑の 若葉の匂い 嗅ぎながら うたた寝する 休日の午後
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あの人が4つに割ると言ってからキットカットはそうして食べる
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やさぐれた 心の裏腹 けふ肥へて やめたやめたや 明日の恨みなら
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もう二度と動き出すことのないもの動き出す 度のあわないメガネ
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はじまりはやさしさだった慣習も今となっては泥濘みたい
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金の価値はわからないけど君の手に嵌ったことに価値があるから
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コーヒーとドーナツ食べてる母なれば 母の中では元気な部類
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ちま猫と お鼻くっつけスリスリと ねこのごあいさつ すきすきヤッホー
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声でかくおもしろいのが真実に 日々のあたたかさを信じていたい
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大義無く何でもある此の世今私がいる意味理由は何処へ
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出来損ないじゃない出来損ないじゃない許されたくなんかない一生
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公園ではしゃぐ子供を見て「今日も頑張らなきゃな」と言うサラリーマン
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黒き白鳥蒼き薔薇携え問ふ 貴方は何者か何を為したか
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テレビから蚕の姿が流されて 七十二候をしらべてなるほど
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何も無い新居の寝具にて耽る「あのテレビ線首が吊れそうだ」
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生きてて好かったと生まれるべきじゃなかったを繰り返し未だ死ぬ予定無く
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スーパーの日替わり特売売り切れは 午前中だよ買えなかったよ
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傘をさし生後半年ほどの子を連れる背中の美しきこと
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しまむらで 娘が選んだ シャツは プラレール柄 世は多様性
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名探偵コナンの如く推理する 今日の夜ご飯カレーライスだ。
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いつもより少しスピードあげてみる 私と愛車 風になるなる
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「俺にだけお土産くれよ」あげるから あなたが欲しい花いちもんめ
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吹き上がるホットケーキボルケーノ中身をトースターに轟かせる
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努力さえ才能と呼べば容易たやすいが青薔薇の花言葉は変わり
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ねこの頭 ふたつ分ほどの緑の葉 持ち帰り来て 傘にしてみたい>もうじき梅雨
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休憩をするの忘れていませんか 自らに問ふ 友にも問ひたし
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くすぶった 突沸感情 正常よしとする どんな自分も 否定はせずに
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