七夕や 越さぬと決めた この川よ 空荷で渡る 上弦の月
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八月は蝉降る夜の真ん中に居ても立っても光速の雨
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鈍びた雲の下を 眞白な鳩が一羽 輪を描きながら飛んでゐる
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右耳の後ろに隠れたこのほくろわたし以外に誰が知ってる?
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単純な性格だからすごいねの一言だけで頑張れてしまう
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孫帰る 過ぎし九日 懐かしき 寂しさ残る 妻と二人で
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即席の  お味噌汁の具が少し  減ってる気がする ステルス値上げ?
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電気代  どれぐらいになるかしら?  命をつなぐ冷房だけれど
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前髪が  少しさみしくなってきて  何年ぶりか  分け目を変える
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そう君は何も考えなくていい、此処に樹の絵を描いてくれれば
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言語野がどちらに在るか知らないがきっと左だ 血の巡りくる
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猫カフェが人カフェとなる傍らでかまわず眠るきみの丸い背
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名にし負はば八塩の岡の薄紅葉時雨の染めむ末ぞゆかしき
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突然の 所持品検査職務質問 ビックリよ 事なき得るも 新宿怖い
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世話になどなってはおらぬと言う老母息子は怒りつも着信確かむ
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遠い街  弟が住むその街に  老母とともに訪ねていく
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顔についたホコリ取る時 ねこ可愛い 「よきにはからえ、くるしゅうないぞ」顔
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過去未来 常世現世 境界をぼかしてゆくは盆の陽炎
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りおちゃんは絶対人生2周目だ ユーチューブ見て確信をする
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空の青 海の青にも 勝るよな 青い鍋にて 夏野菜煮る
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初蝉の五月蝿き声が聴こえぬと食卓の母はニコニコしおり
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長岡の花火のあとの寂しさを越後湯沢の湯よ慰めよ
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湯上がりを待たせる人も今は亡く越後湯沢の朝湯に浸かる
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息子より指令の菓子を探しては汗だらだらの東京駅よ
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夢に出るのにも予約が要るからと笑う従姉妹と 盆の夢にて
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緑茶たち3種類ほど飲み比べ 紙コップでも風流気分
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黒みつのところてんをば消費して いよいよ夏も終わりに近づき
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抜ける青とどめく青よ青だけの世界あらしめ夏のまぼろし
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恋してる人は進行形ingアイエヌジー 私の短歌こいは過去形edイーディー
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チャリをぎ豪雨の中を突っ走る 50代の青春ババア
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